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「殴られる前に殴れ」堀江翔太(37歳)が明かしたラグビー日本代表のスクラム哲学…イングランド戦は「上手いこと組めたんちゃいますか」
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byKiichi Matsumoto
posted2023/10/16 17:00
4度目のラグビーW杯、フッカーとして全4試合に出場した堀江翔太(37歳)
「開始直後だったんで、体力も集中力もあって、上手いこと組めたんちゃいますか」
このスクラムが、後半途中までの接戦を演出するカギとなった。堀江は長谷川コーチが説くスクラムの基本哲学を深いところで理解し、相手ごとに対策を練る。イングランド戦では日本のスクラムの強みを再確認し、相手の「クセ」を予習したことが奏功した。
「この試合のスクラムに関しては、慎さんからはバックファイブの押し方を伝えることに集中してくれと言われてました。そのうえで、前3人がどうやって相手にプレッシャーをかけるかを話し合っていました。相手を想定した準備も良かったと思います。具くんとガッキー(稲垣)と一緒に、イングランドがどうやってプレッシャーをかけてくるのかを予想していたので、その対策が上手いこといった感じです」
イングランド戦のスクラムは「仕掛ける」と「耐える」というふたつの要素の綱引きが繰り広げられていた。
「向こうも、こっちも、駆け引きというか、僕らが行きすぎたら押されるな……という感じだったので、タイミングを見極めるのが大切でした」
探り合いながらやっていた感じ
押しを仕掛けて押し切れず、伸びきってしまうとカウンターを食らってしまう。
「だから、向こうが仕掛けてきたら、耐えたうえでこっちが仕掛ける感覚でした。何回か向こうが仕掛けてきたスクラムがあって、ぐっと耐えながらプレッシャーをかけられた部分もありましたよ。お互い、行く、行かないというのを探り合いながらやっていた感じです」
スクラムは両軍合わせて16人、無言のなかでの駆け引きが繰り広げられている。いや、駆け引きではなく、ケンカと言った方がいいだろうか。
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