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「これがラグビーです」リーチマイケルが35歳で臨んだW杯アルゼンチン戦…潔い言葉が胸に刺さる!「日本代表にとって新しい歴史になる」
posted2023/10/15 17:05
text by
大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph by
Kiichi Matsumoto
発売中のNumber1082号「誇り高き死闘 ラグビーW杯日本代表完全保存版」に掲載の[ジャパンのシンボル]リーチ マイケル「誰よりも身体を張り続けて」より内容を一部抜粋してお届けします。【記事全文はNumberPREMIERにてお読みいただけます】
W杯“全4試合315分間出場”のリーチマイケル
背番号6は特別だった。
しなやかで、強靱。相手に身体をぶつければすぐに立ち上がり、次のボールキャリーへ、次のタックルへと走る。
重量感とスピードの両立。他を圧するほどの存在感がありながら、その足取りはどこか軽やかだ。どこにでも現れて強く激しく身体を張る。張り続ける。
リーチマイケルは、それをワールドカップ(W杯)の4試合、交替したサモア戦の最後の5分間を除く315分間にわたって遂行し続けた。
10月8日、フランス西部の港町ナント。8強進出がかかったアルゼンチン戦は、互いにトライを取り合う熱戦に。前半は先行されたものの14-15の1点差で折り返し、後半も2度にわたって2点差に迫った。しかし日本は一度もリードを奪えなかった。
27-39の敗戦。試合後、フラッシュインタビュー。リーチは口を開いた。
「全力を尽くしました。ここまでいい準備をして臨んだけれど、今日は相手の方が強かった。これがラグビーです」
常に先頭に立って、身体を張り続けた男は、潔く相手の勝利を認めた。
トライ、スクラム、タックル…すべての試合に全力
すべてを出し切って負けたなら素直に相手を祝福できる。それほど、すべての試合で、リーチは全力を出し切っていた。
チリ戦では前半11分、タッチライン際を抜けようとする相手選手に後方から追いついて猛タックル。重圧のかかる初戦で、先頭に立ってピンチを防いだ。後半13分にはディラン・ライリーのシンビンで1人少ない中、右隅で相手DFを引きつけながらグラウンドの逆サイドに高速移動してゲームの流れを決定づけるトライ。2人分の働きでチームを42-12の勝利に導いた。
続くイングランド戦は相手の重量FWに向かってひたすらタックル。劣勢を強いられた後半も、自陣ゴール前5mで相手PRジェンジの突進を阻み、FBスチュワードにタックルして落球させてピンチを救った。イングランドが遮二無二プレッシャーをかけてくるスクラムでは、FW8人一体のスクラムをサイドから固め、一歩も退かない覚悟を体現した。
主将ではなくとも、日本チームのシンボル
サモア戦ではフィジカル自慢の相手ランナーたちが突進してくる前に立ちはだかり、止め続けた。見舞ったタックルはチーム2位の17本。アタックでは前半32分、左タッチライン際でパスを受けてインゴール左隅に滑り込み、大会2本目、W杯自身通算4本目のトライもスコア。強敵を28-22で撃破し、日本の8強進出へ望みをつなぐ勝利の立役者となった。