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バレーボールPRESSBACK NUMBER
石川祐希に仰天のビーチバレーオファー、元日本代表・清水邦広は“二刀流”に挑戦中…50歳にしてムキムキの現役レジェンドが描く「バレーボール界の未来図」
text by
酒井俊作Shunsaku Sakai
photograph byKoichi Nishimura
posted2023/10/12 11:03
西村晃一(右)と中央大学時代の石川祐希(西村晃一提供)
もちろん、将来的に条件が合えばという話だろう。だが、脳裏では誰も見たことがない景色を思い描いている。
「インドアのバレーとビーチバレーの両方をできる仕組みを作っていきたい。もうちょっとインドアの選手にも、ビーチにどんどん来てもらいたい。いろんな選手がやらないと、ビーチバレーも発展しませんから」
インドアからビーチへの転向組は21年東京五輪日本代表の石島雄介や北京、ロンドン五輪の2大会連続出場の朝日健太郎らがいるように珍しくないが、再びインドアでプレーして本格的に両立する選手は見当たらない。そんな“常識”に縛られずに動くのが西村である。だから、この夏は長く日本代表のオポジットとしても活躍してきた清水邦広に声をかけ、ビーチバレーで初めてコンビを組んだ。
清水邦広は“二刀流”でビーチにも挑戦
8月中旬、2人は童謡『月の沙漠』で有名な千葉・御宿町のビーチにいた。記念すべき初戦はボールが繋がらず0―2(11—21、12—21)で完敗した。だが、出場することに大きな意味がある。
清水はいまもVリーグのパナソニック パンサーズで活躍するトップ選手である。西村は清水にある思いを伝え、ビーチバレーに誘っている。
「インドアとビーチバレーの橋渡し、二刀流としてやってほしい。そもそもは同じスポーツ。冬はVリーグで活躍して、オフの夏になったらビーチバレーをやってもいいんじゃないか」
ビーチバレーはインドアよりも片面1mずつ狭くなったコートを2人で守って攻める。使うボールはほぼ同じだが、ビーチバレー球は気圧が低いため、スピードが出にくい。
インドアとビーチ、最も大きな違いは…
この日の試合で苦闘した清水も振り返る。
「オールラウンダーでなければ、ビーチバレーは難しいですよね。特にパス、トスの繋ぎの部分がすごく大事。僕は今までスパイク専門だったので、トスを上げることはなかなかありませんでした。でも、ビーチバレーではしっかり上げないといけない。今日も全然、僕のトスが上がらなくて。繋ぎの部分をできず、穴ができて、ポイントを取られることが多かったですね」