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バレーボールPRESSBACK NUMBER
石川祐希に仰天のビーチバレーオファー、元日本代表・清水邦広は“二刀流”に挑戦中…50歳にしてムキムキの現役レジェンドが描く「バレーボール界の未来図」
posted2023/10/12 11:03
text by
酒井俊作Shunsaku Sakai
photograph by
Koichi Nishimura
渋谷にも空がある。ビルが林立し、人で溢れ、どこか窮屈な街のはずなのにここだけは違う。
「はだしになった方がいいですよ」
そう勧めるのは、プロビーチバレ―選手の西村晃一だ。革靴も靴下も脱ぎ捨てて、白砂を踏みしめる。渋谷駅から数分歩くだけで、こんなオアシスがあるとは。そこには大都会とは思えない解放感があった。
山手線が走りすぎる音すら、いつの間にか消えている。代わりに聞こえてくるのはエド・シーランやマルーン5の楽曲である。アップテンポな音色に乗りながら、西村と同僚たちがスパイクを打ち、レシーブを拾っている。海はない。でも、陽光も風も砂浜もある。これが宮下パークの日常である。
石川祐希をビーチに誘った理由は…
50歳で現役を続ける西村は宮下公園にビーチバレーのコートをプロデュースし、本拠地にしている。
「僕としては、都心でビーチに触れることがすごく大事です。渋谷は世界に発信する場所ですよね。ここでビーチバレーをすることで、若い世代に刺さって新しいねって思ってもらいたい。これからの世代のカッコいいスポーツになってほしい」
この夏、西村は男子バレーボール日本代表主将の石川祐希をビーチバレーに誘った。
「日本に帰ってきたら、ビーチバレー、一回やろうね」
声をかけた理由をこう明かす。
「日本代表はパリオリンピックでメダルを獲れる可能性があるので、僕は彼らにはそこに集中して、注力してやってほしい。メダルを獲れた暁には、もしも、余裕ができたら、ビーチバレーにも挑戦してほしい。こっちでもメダルを獲れる可能性も出てくると思います。同じバレーボールですから。両方トライできたら、面白いと思いませんか」