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「藤井聡太先生は同い年と思えないほど…」女流棋士・小高佐季子21歳が驚いた“16歳時の風格”「まったく震えがなかったんです」

posted2023/10/07 06:01

 
「藤井聡太先生は同い年と思えないほど…」女流棋士・小高佐季子21歳が驚いた“16歳時の風格”「まったく震えがなかったんです」<Number Web> photograph by Keiji Ishikawa/Shigeki Yamamoto

藤井聡太竜王・名人と同学年の小高佐季子女流初段にインタビューした

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茂野聡士

茂野聡士Satoshi Shigeno

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Keiji Ishikawa/Shigeki Yamamoto

 藤井聡太竜王・名人(21=王位・叡王・棋王・王将・棋聖と合わせて七冠)や羽生善治九段(53)の日本将棋連盟の会長就任など、話題に事欠かない将棋界。若き女流棋士もまた、スター棋士と接することで様々な感慨を持っているようだ。小高佐季子女流初段(21)に話を聞いた。(全2回。棋士の肩書・段位は当時のもの/第2回に続く)

 藤井聡太七冠の対局結果が、テレビのニュースで扱われるようになってから数年が経った。その事実が世間的に当たり前のようになっているが、将棋界に身を置く人々の口からは〈本当に将棋が世の中にリーチする機会が増えて嬉しいんです〉との言葉を聞く。

 そんな将棋普及のために、という一心で、ネット中継などで将棋を楽しんでもらおうと解説を務める棋士の語り口に魅了されるファンも多いそうだ。

 それは棋士だけでなく、聞き手を務める女流棋士も同じ。

 小高佐季子女流初段も、その1人だ。

「あがり症なので、中継に出始めた当初は物凄く緊張していましたね。まだまだだなと思うことがあるのですが、以前に比べてだいぶ慣れてきました。最初の方は周りの方に心配していただくほど、自分自身でも大丈夫かな? と思うほどの出来だったんですけど」

5歳で将棋を始めたきっかけは「父が…」

 小高さんは当時を振り返って少し照れながら、普及に対する思いをこう続ける。

「私自身が取材を受けることで、将棋というものを知ってくださる方が1人でも増えるようならという思いですので」

 小高さんは2018年に女流棋士となった。その後は成績的に苦しい時期があったものの、2021年の「白瀧あゆみ杯」優勝、2023年に入ってからは第45期女流王将戦で里見香奈女流五冠に勝利してベスト4進出を果たすなど、着実に力を育んでいる女流棋士の1人である。

 そんな小高さんは5歳で将棋を始めた。「父が将棋塾を開いて、すでに兄も将棋をやっていたので、自分から進んでというよりも強制的に、でした」と冗談めかしながらも将棋に打ち込んでいった経緯を話す。

「父はもともと、社会人になってから将棋を知って、そこから将棋道場に通っていたそうです。兄が生まれた時に“強くして練習相手にさせたい”と考えていたそうで、その流れで兄は将棋を始めたと聞きました。その流れで私も将棋を……という」

母が元気づけてくれる存在だったんです

 車で自宅から将棋塾に通い、7歳年上の兄は「気づいたら奨励会の二段までいっていた」という。小高さんを含めて父の指導は厳格だったそうだが、そこで将棋を続けられたのは家族の存在もあったようだ。

【次ページ】 佐々木勇気先生は普段、ニコニコしてらっしゃって

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