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千代の富士の長男が語る「筋肉美、肉体美」 SNSで“バズった”大横綱の家族が伝えたい思い「千代の富士を忘れないでいてもらいたいんです」 

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雨宮圭吾

雨宮圭吾Keigo Amemiya

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2023/07/28 11:02

千代の富士の長男が語る「筋肉美、肉体美」 SNSで“バズった”大横綱の家族が伝えたい思い「千代の富士を忘れないでいてもらいたいんです」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

「ちゃんこ千代の富士」の運営にも携わる長男の秋元剛さん。千代の富士の絵とともに

「千代の富士が人々の中で生き続けるように」

 千代の富士自身も美意識の高い人だったという。骨董品や美術品が好きで、趣味の一つが陶芸。テレビ番組では『開運!なんでも鑑定団』が大のお気に入りだった。番組を観るだけでは飽き足らず、何度もゲスト出演をして、ヨーロッパの画壇で活躍した藤田嗣治(レオナール・フジタ)の油絵が3000万円の評価額を受けたこともあった。

「僕たち兄弟がファッション業界と近いところにいるのでファッションブランドとのコラボレーションが目立ちますが、ファッションに限らず意味があるものをいいタイミングで、これからも見せていければと思います」

 2020年9月からJR両国駅に優勝額を展示し、それに合わせてホームで記念展を開催したのもその一環だった。

「どんなに人気があった人でも亡くなると露出が減ってしまう。歌手であれば街中で曲が聞こえてきたりと、思い出してもらう機会が多いと思うんですが、お相撲さんはそうはいきませんよね。千代の富士という横綱がいたっていうことを忘れないでいてもらいたいんです。いろんな活動を継続していくことで、みんなの中で千代の富士が生き続けてくれると思うんです」

千代の富士が愛した“ちゃんこ”

 今年2月には「ちゃんこ 千代の富士」も開業した。自宅でもある旧九重部屋を改装し、ちゃんこ屋として生まれ変わらせた。店内には千代の富士が締めた綱や化粧まわしが飾られ、上り座敷に用意されたテーブルでちゃんこを味わうことができる。

「これも父が生前に話していたことのひとつです。お相撲さんって引退後に飲食の世界に進む人も多いそうなんですが、自分たちでちゃんこ屋をやっていれば、そこで経験を積んでみようという弟子たちの受け皿にもなれる。ただちゃんこ屋をやるということだけではなく、そこまで弟子のことを考えていたということに驚きました」

『千代の富士が愛し、弟子たちによって受け継がれてきた味』が同店の謳い文句。これにはれっきとした裏付けがある。

【次ページ】 現代に生き続ける「千代の富士の魅力」

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