箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
「明治は、取り残された感がある」箱根駅伝で区間賞2つ獲得も、今季前哨戦の予選で惨敗…明治大はなぜ駅伝常連校になれないのか? 監督を直撃すると…
posted2023/06/20 11:22
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
Asahi Shimbun
全日本大学駅伝予選会、最終組の出走が終わり、各大学の監督と選手、関係者は総合順位の発表を待っていた。予選会は、出場20校の内、各チーム2人1組で出走し、4レースを走り、8人のタイム合計で上位7校が11月の全日本大学駅伝への出場権を獲得することになる。
予選通過を意味する7位は…
立教大学の選手は、少しソワソワした表情で名前が呼ばれるのを待っていた。上野裕一郎監督も落ち着かない様子だ。
明治大学の選手たちは、不安な表情で芝の上に座っていた。昨年の全日本大学駅伝は総合9位になり、8位までに与えられるシード権を失った。選手は一丸となって4レースを戦ったが、その重苦しい空気が、自分たちが微妙な順位にいることを表していた。
少し時間がかかり、ようやく発表のアナウンスがされた。
1位、城西大学……5位東京農業大学……。息を殺していた農大生たちの歓声がどっと沸き起こる。6位帝京大学……この時点で立教も明治も名前が出てきていない。学生たちは祈るような表情だ。ただ、上野監督は、大学名が呼ばれる度に手を叩き、勝者を讃えていた。
7位、国士舘大学……。
国士舘の学生たちの「うぉー」という歓声が静かなスタジアム内に響き渡った。
昨年は予選会敗退から箱根進出を果たした立教
その刹那、立教の選手たちはうなだれた。立教大は8位で、7位の国士舘との差はわずか14秒30だった。思い出したのは、昨年の予選会だ。1年前は、上野監督だけが全日本大学駅伝に出場することを本気で考えていた。選手たちは自分たちの実力がそこまでにないと考えたせいか、100%の力を発揮せず、11位に終わり、予選突破できなかった。上野監督はチャレンジしない選手に納得がいかず、予選会後、珍しく長いミーティングで選手たちに檄を飛ばした。