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「明治は、取り残された感がある」箱根駅伝で区間賞2つ獲得も、今季前哨戦の予選で惨敗…明治大はなぜ駅伝常連校になれないのか? 監督を直撃すると…
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byAsahi Shimbun
posted2023/06/20 11:22
箱根駅伝の前哨戦といえる全日本大学駅伝の予選、明治大は突破ラインの7位から大きく離れた10位という結果に。写真は1組目で好走した4年の児玉真輝
不安は、スタートする前からあった。箱根駅伝7区区間賞の杉彩文海(4年)と、ハーフマラソンで1時間3分58秒のタイムを持つ新谷紘ノ介(3年)を欠く中での戦いだった。
それでも1組目、児玉真輝(4年)が3位、甲斐涼介(3年)が16位とまずまずの滑り出しを見せ、総合5位につけた。児玉は故障から復帰し、教育実習で状態をなかなか上げられない中でも好走したことで勢いがついたはずだった。
ずっと悪いスパイラルが続いている
だが、2組目の尾崎健斗(3年)が17位、堀颯介(2年)の怪我明けの2人が35位と大きく沈んだ。3組目も吉川響(2年)が7位に入るも溝上稜斗(3年)が32位、この時点で明治大は総合10位で7位の東京国際大とは40秒の差があった。4組目、留学生が先頭集団をつくる中、森下翔太(2年)と綾一輝(1年)は日本人集団の中、好位置でレースを展開していた。森下は14位、綾は後半に失速し、それでも23位とまとめたが、明治大は10位のままで終戦した。
「危機感を感じています」
山本佑樹監督が、そう語るように明治大は今、重大な岐路に立たされている。
箱根駅伝は、阿部弘輝(現住友電工)がいた時代に総合6位という結果を残して以来、3年連続でシード権を逃した。今回、全日本大学駅伝の出場権も失い、駅伝における明治の存在感がどんどん失われつつある。
「ずっと悪いスパイラルが続いている。それをなかなか断ち切ることができない」
山本監督は、厳しい表情で、そういった。
明治は良い選手がいるよねってよく言われますが…
「今回もなんとか凌ごうとしたのですが、難しかった。怪我明けの尾崎や堀がいる中、それでも何とかなるだろうって思ったところが全部潰されていった。3組目、4組目で自信をもって送り出した4人も力を出し切れなかった。自分たちに悪かったところがあったんですけど、それ以上に他のチームの勢いがすごいというか、力をつけてきているのを感じました。特に、東京農大さんの最後の走りを見ていると追い抜かれたなと」