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「明治は、取り残された感がある」箱根駅伝で区間賞2つ獲得も、今季前哨戦の予選で惨敗…明治大はなぜ駅伝常連校になれないのか? 監督を直撃すると…
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byAsahi Shimbun
posted2023/06/20 11:22
箱根駅伝の前哨戦といえる全日本大学駅伝の予選、明治大は突破ラインの7位から大きく離れた10位という結果に。写真は1組目で好走した4年の児玉真輝
ここ数年、よく耳にするのが「明治は選手が揃っているけど、怖くはない」という話だ。今年も高校生5000mタイム日本人3位でこの予選でも4組目で走った綾(八千代松陰)などスカウティングでいい選手が入ってきており、選手個々の名前を見れば優勝争いだって可能に思える。ゲームチェンジャーになり得るスーパーな選手はいないが、選手層だって薄くはない。それでも結果がついてこないことを山本監督はどう考えているのだろうか。
「明治は良い選手がいるよねってよく言われますが、それは社交辞令というか、でも本音は、『うちにはもっといるよ』っていうことだと思うんです。(明治は良い選手がいる)そう言われることに踊らされず、しっかりとやらなきゃって思っていたのですが、それ以上に周囲の勢いがあるし、強い。明治は、取り残された感があるのかなと思います」
2023箱根駅伝は2人が区間賞も総合12位
前回の箱根では1区で富田峻平(当時4年)が区間賞の走りを見せ、復路も杉彩文海(当時3年)が7区区間賞を獲るなど、自分の力を発揮すれば箱根でも十分に戦えるだけの戦力を保持していることを見せた。だが、総合12位でシードに届かず、終わってみれば期待外れの結果に終わっている。
今の明治大に足りないものは何なのだろうか。
「関東インカレが終わって、予選会は厳しいというのはあったんですけど、そこに対しての危機感を“感じ切れていなかった”。そこは僕も一緒なんですけど、なんとかしようという気持ちが薄かったなというのはあります。スマートに勝とうというところだけ残ってしまって……。泥臭く戦っていくというのが明治のスタイルでもあるので、そこをもう一度、思い出さないとダメかなと。あとは、やっぱり結果に対する欲っていうものが足りないです」
このままやられているだけでは今後の士気にもかかわる。山本監督は、「ここでシュンとしてはいけないので、結果を出して気持ちが前に向くようにしないと」と語るが、その一環としてトラックのレースで結果を出していき、気持ちを入れ替えて夏合宿に入っていきたいという。
個々の危機感のなさが、こうなっている
10位に終わった際、山本監督は、学生たちにこう話をしていた。