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ラグビー日本代表“46→33人”最後のサバイバル開始「W杯イヤーは何が起こるかわからない」“追加招集の歴史”とは〈W杯まで100日〉 

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大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byItaru Chiba

posted2023/05/31 17:00

ラグビー日本代表“46→33人”最後のサバイバル開始「W杯イヤーは何が起こるかわからない」“追加招集の歴史”とは〈W杯まで100日〉<Number Web> photograph by Itaru Chiba

9月に開幕するラグビーW杯(フランス)に向けて日本代表と日本代表候補の46人を発表したジェイミー・ジョセフHC

「(6月12日から始まる)浦安合宿ではコンタクトエリアでの攻防におけるタックル精度をナショナルレベルまで引き上げていくことを狙いとし、チーム力をより向上させ、より強固な絆を作っていきたいと考えています。そして、7月から始まる国内テストマッチ、その先に待つ本番への準備を加速させたいと思っています」(抜粋)

 ジェイミーHCが言う、「加速」とはいったい何を指しているのだろう。

 W杯に向けた日本代表の合宿は6月12日に始まる。リーグワンのプレーオフを勝ち進んだチームは、5月19〜20日まで試合をこなした。その4チームの選手に3週間のオフを与えるという前提で、この日程は組まれている。

 そもそも、代表選手にはできる限り休養をとらせるのがジェイミー流の準備だ。自国開催となった19年大会は、日本協会がW杯に向けた準備に全面協力した結果、18年12月中旬にトップリーグ(当時)を決勝まですべて終了させ、19年1月いっぱいは全選手に完全休養を指示。同年2月に合宿をスタートさせて以降も、練習の負荷は選手によって調整した。

 疲労の度合いが高かった選手には、より長く休養の時間を与え、スーパーラグビーを戦うサンウルブズにも日本代表の主力として期待している選手はほとんど参加させなかった。

 かくして2019年のジェイミージャパンは、まるまる8カ月をW杯に向けた準備に充てることができた。だが今回、その準備期間は桁違いに短い。前述の浦安合宿を始める時点で、W杯初戦まで3カ月を切っている。

 焦点は、その短い時間をどう使うか。

「浦安合宿ではタックルに重点を置く」

 オンラインでブリーフィングを行った藤井雄一郎ナショナルチームディレクター(以下、NTD)は「浦安合宿ではタックルに重点を置いた練習をします」と言った。

「今は世界的に高いタックルでイエローカードやレッドカードが出されるケースが増えている。W杯本番で、カードが出されて数的不利の戦いになったら日本が勝つのは難しい。絶対にカードを出されないよう、タックル、コンタクトのスキルを高める必要がある。オーストラリアからタックル専門のコーチを呼んで、その練習に時間を割きます」

 19年大会で日本は5試合を戦って1枚もカードを科されなかった。それは出場20カ国のうち4チームだけ。カードの枚数は決勝トーナメント進出を大きく左右した要素と言っていい。象徴は15年大会で4強に進出したアルゼンチン。イングランド戦で開始18分にハイタックルによりレッドカードを科され、残る60分以上を1人少ない14人で戦うことになり、10-39で大敗している。

 藤井NTDは「W杯でレッドカードが出て、出場停止になったら補充もできない」と語ったが、その一方でカードを連発する選手が今回の46人に選出されているのも気になるところ。合宿を通じて修正可能かを見極めてほしい。

【次ページ】 「W杯イヤーは何が起こるかわからない」

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