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ラグビー日本代表“46→33人”最後のサバイバル開始「W杯イヤーは何が起こるかわからない」“追加招集の歴史”とは〈W杯まで100日〉
text by
大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph byItaru Chiba
posted2023/05/31 17:00
9月に開幕するラグビーW杯(フランス)に向けて日本代表と日本代表候補の46人を発表したジェイミー・ジョセフHC
無論、W杯への準備はカード対策だけではない。チームの目指す戦術を理解し、互いのクセを理解し合い、試合本番でプレッシャーがかかった場面でも的確な判断を共有できるようにチームを仕上げるために、ここからの3カ月は使われるだろう。
だが、そこにはアクシデントが入り込む可能性が常にある。コンタクトの強度を高めた練習をするならなおさらだ。
藤井NTDは「100%とは断言できないけれど、基本的にはこのメンバーを軸に考える」と話す一方で、「ケガも含め、何が起こるか分からない」「ギリギリまで悩んだポジションはいくつかある。リーグワンの決勝のあとも、何人かについては選ぶことに時間がかかった。頭を痛めたところがたくさんあった」とも発言している。名前は明かされなかったが、当落線上ギリギリで選から漏れた選手は何人もいたのだろう。
今回のリストから漏れていても、昨夏の長期合宿、昨秋の国内シリーズと欧州遠征に参加し、日本代表の目指すラグビーを理解している選手も多い。選ばれたスコッドに負傷あるいは強化試合でのカードなどW杯本番を託せない事情が生じたなら、補充選手が発生する可能性はある。
トンプソン、マフィがリスト外から選出
記憶に新しい19年W杯日本大会に向けては、18年12月に38人のトレーニングスコッド、18人のNDS、あわせて56人の候補選手を発表していたが、W杯本番のメンバー(31人)にはそのリスト外からトンプソン ルーク、アマナキ・レレイ・マフィが加わった。
11年大会では大会開幕後に負傷者の補充でNo.8タウファ統悦、LO北川勇次、SH麻田一平、FBブライス・ロビンスが追加招集された。07年大会は直前のウォームアップ試合で負傷者が相次ぎ、W杯現地のフランス入りしてからWTB北川智規、FB久住辰也の2人が追加招集されている。開幕後も負傷者が発生し、バックアップからFL浅野良太とSH金哲元が追加登録された。ちなみに久住と金はW杯が初キャップの舞台となった。