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“慶應大のスター選手だった元日本代表”が43歳でテレビ業界に再就職…なぜラグビー協会を辞めた?「きっかけは高校野球のライブ配信」
posted2023/05/25 11:00
text by
多羅正崇Masataka Tara
photograph by
Jun Tsukida/AFLO SPORT
ラグビー界の次世代リーダーだった瓜生靖治(うりゅう・やすはる)は、今どこで何をしているのか。
驚異のスピードで防御を切り裂く、甘いマスクの背番号13。慶應義塾大学のトライゲッターとして創部100周年の大学日本一に貢献。会社員としてサントリー入社後、神戸製鋼でプロに転向し、リコー、キヤノンと渡り歩いた元ラグビー日本代表だった。
選手引退後はマネジメントの才を発揮し、リーグ合同トライアウト「トップリーガー発掘プロジェクト」の計画実行、そして現在のリーグワンへと至る新リーグ構想「トップリーグネクスト」を立ち上げた。
構想力と実行力を期待された43歳は、2016年から2022年までの7年間、日本ラグビーフットボール協会で働いていた。
しかし現在の肩書きは、テレビ局の番組プロデューサー。
正確には、大阪の準キー局「朝日放送テレビ(ABCテレビ)」の東京支社で、部活応援番組『部活ピーポー全力応援!ブカピ!』のチーフプロデューサーを担当している。
「2022年7月に入社して、2023年4月から『ブカピ!』のチーフプロデューサーをしています。テレビ業界は初めて。こちらから学ばせてもらいつつ、自分の強みをどう活かすかを考えています」
「外に出て視野を広げたい」
穏やかで明瞭な語り口は、新リーグ構想のキーマンとしてメディア出演をこなしていた頃と変わらない。
もちろん訊ねた。なぜテレビ業界に飛び込んだのか。
「2022年にリーグワンが立ち上がって一息つきました。そこで家族が1人増える――子どもが生まれるタイミング、という状況もあって、今後のキャリアについて改めて考えた時、新たなチャレンジをできるのは今しかないのかなと。定年までラグビー協会にいるのではなく、外に出て新しい視野を広げたい、と思いました」