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ラグビー日本代表“46→33人”最後のサバイバル開始「W杯イヤーは何が起こるかわからない」“追加招集の歴史”とは〈W杯まで100日〉
posted2023/05/31 17:00
text by
大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph by
Itaru Chiba
5月24日、9月に開幕するラグビーワールドカップ(W杯)に向けた日本代表スコッドが発表された。今回発表されたのは「日本代表36人」と「日本代表候補10人」のあわせて46人。
昨年は5月9日に「日本代表候補」として63人を発表。それから「日本代表」と「NDS(ナショナルデベロップメントスコッド)の2隊に分かれて合宿を実施したことを思うと、グッと絞り込んだメンバーでW杯に備えるという指揮官の意図が感じ取れる。
「日本代表」と「日本代表候補」合わせて46人の中に、ノンキャップ組は11人。ノンキャップでも代表活動に参加歴のあるFL福井翔大、WTBジョネ・ナイカブラ、HO中村駿太を除けば初招集は8人となった(うち1人が日本代表候補)。
昨秋の欧州遠征に参加しなかった“復活組”は、W杯3大会出場のHO堀江翔太、昨年は負傷で代表活動には参加しなかったSO松田力也ら11人。その中には、2017年以来5年ぶりに招集されたFB/SO小倉順平、PR伊藤平一郎(日本代表候補)の名もある。
一方で、昨秋の欧州遠征メンバーから16人の名前が消えた。消えた名前には、今季のリーグワンでスーパープレーを連発した山沢拓也、野口竜司(ともにワイルドナイツ)、ゲラード・ファンデンヒーファー、根塚洸雅(ともにスピアーズ)も含まれていた。個々の事情、セレクションの判断はあるだろうと承知していても、動揺するファンも少なくなかった。
ジェイミーが重要視する“一貫性”
ジェイミー・ジョセフHCはスコッド発表に際し、こうコメントした。
「いかなるプレッシャーの中でも一貫したプレーができる選手ということでこのメンバーを選考しました」
セレクションは複雑で繊細な作業だ。ベテランを見る目と中堅を見る目と若手を見る目が同じはずはない。今季は集大成を期すべきW杯イヤーとはいえ、過去3年はコロナ禍で、指揮官から見れば可能性のある選手に十分な試合経験を積ませることもできなかった。複数の選考基準があってもおかしくない。
だがここからは、W杯がずんずんと迫ってくる。ジェイミーのコメントにはこうある。