熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「三笘薫は今のネイマールより上」「18歳で大学を選択したのは…」ドリブラー+相手SB視点で三都主アレサンドロに聞く〈南米もミトマ報道増加〉
posted2023/02/09 11:03
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Jan Kruger/Getty Images
「プレミアリーグで大きな注目を集める日本人選手は、ドリブルに関する学術論文を著した」
ブラジル最大の総合スポーツ雑誌「プラカール」の電子版は1月31日、このような見出しでブライトンの日本代表FW三笘薫を写真入りで紹介した。
筑波大学で体育学を学んだ後、22歳でプロ選手になった三笘が1月29日のFAカップ4回戦で強豪リバプールを相手に美しい決勝ゴールを叩き込んだこと、ブライトンのロベルト・デ・ゼルビ監督が「彼は驚異的な選手であり、さらに成長する」と称賛していること、直近11試合で6得点2アシストを記録していること(注:2月8日時点では直近12試合で7得点2アシスト)、日本代表の一員としてワールドカップ(W杯)カタール大会に出場し、スペイン戦で論議を呼ぶプレー(いわゆる「三笘の1ミリ」)の主人公となったことなどを事細かに伝えている。
ブラジルで大卒選手はソクラテスら限られるゆえに
同じ日の「CNNポルトガル」も、「フェイントを授業で学び、リバプールを敗退させた日本人」の見出し。川崎フロンターレ時代の三笘と親友の田中碧(現デュッセルドルフ)が教室の黒板にそれぞれ「全試合ゴール」、「優勝」と書いた写真を掲載している。
南米や欧州では、大学を卒業してからプロになる選手はほとんどいない(ほぼ唯一の例外は、若手プロ時代にブラジルの名門サンパウロ大学の医学部を卒業して医師免許を取得し、コリンチャンス、ブラジル代表などでMFとして活躍した“ドトール”ソクラテス)。それゆえ、大学へ進学し、なおかつドリブルに関する卒業論文を書いたことが非常に珍しく映るようだ。
1月29日のアルゼンチンの日刊紙「エル・クラリン」は、「日本人ミトマがリバプール相手にゴラッソ(スーパーゴール)を決め、マクアリスターが所属するブライトンに勝利をもたらした」の見出し。アルゼンチン代表の一員としてW杯カタール大会で優勝したMFアレクシス・マクアリスターが三笘を祝福する写真を付けた。
記事では、三笘が左からのクロスを右足でトラップし、ボールを跳ね上げてマーカーをかわしてから決めたゴールを「まるでビデオゲームのよう」と表現している。
三都主に三笘のドリブル、マーカーの立場を聞いてみた
元日本代表左SBの三都主アレサンドロは、三笘のことを川崎フロンターレ時代から注目し、W杯カタール大会のアジア最終予選、そしてW杯カタール大会でも彼のプレーを高く評価していた。
現役時代に優れたドリブラーとして活躍し、またSBとしても力を発揮した三都主に、三笘のプレーをどう評価するか、また自分なら彼をどうマークするかを聞いてみた。