熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「三笘薫は今のネイマールより上」「18歳で大学を選択したのは…」ドリブラー+相手SB視点で三都主アレサンドロに聞く〈南米もミトマ報道増加〉
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byJan Kruger/Getty Images
posted2023/02/09 11:03
南米でも報道が出始めるなど三笘薫はワールドクラスへの道を歩み始めている。三都主アレサンドロにドリブラー、相手SB視点で語ってもらった
――彼のドリブルの特徴をどう捉えていますか?
「爆発的なスピード、瞬発力があり、完全に止まった状態からトップスピードに到達するまでが異常なまでに早い。また、ドリブルのコースも、カットインする、カットインしてから切り返して外側へ抜ける、最初から外側へ抜ける、など非常に多彩。マーカーの様子を見てドリブルの種類と方向を決めるから、マークする側は非常に厄介だ」
「ネイマールの若い頃」とソックリ、違う点とは
――本人は、「ドリブルするとき、ボールを見ないでマーカーとその先のスペースを見る」と語っています。
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「これは非常に難しい。限られた選手しかできない。よほどボールコントロールに自信があるのだと思う」
――彼のドリブルは、ネイマールに似ているという声があります。
「同感だね。右足のアウトサイドで細かくボールに触ったり、完全に止まった状態から急にギアをトップに入れてマーカーをひきちぎるところは、ネイマールの若い頃にそっくり。今のネイマールより三笘の方が上だと思う。
でも、違いもある。僕もそうだったけど、ブラジル出身の選手はジンガ、つまり上体を揺する動きをしてマーカーを揺さぶることが多い。でも、彼は自分からは大きな動きはせず、マーカーの出方を見てからどういうドリブルをするか決めているみたいだ」
マークしなければならないとしたら?いやあ…
――もしあなたが彼をマークしなければならないとしたら、どうしますか?
「いやあ、難しいよ。ボールを持って前を向かれたら、1人でマークするのはほぼ不可能。外を切って中へ誘導し、チームメイトと2人がかり、3人がかりで対処するしかないだろう。一番いいのは、前を向いてボールを持たせないこと。そのために、最大の努力をすると思う」
――三笘は、ドリブラーとしてのみならずストライカーとしても急成長しています。
「その通り。多彩な得点パターンを持ち始めているね。先発で起用され、結果を出し、チームメイトからの信頼を得てボールがどんどん集まり、さらに良い結果を出す――。今は最高の状況にあるんじゃないかな。
アーセナル、リバプールといったビッグクラブ相手にドリブルで決定的なチャンスを作り、自らもゴールを奪っているのは本当に素晴らしい」
――課題があるとすれば?