水沼貴史のNice Middle!BACK NUMBER
「三笘薫をブライトンで生かして(笑)」「堂安は今…」W杯後も水沼貴史が注目の7人 “100億円超の男”ムシアラとベリンガムの才能は?
posted2022/12/31 06:05
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水沼貴史Takashi Mizunuma
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ANP/Getty Images
楽しかったワールドカップも終わり、欧州サッカーは後半戦がスタートしました。今回はカタールで名を上げた選手や今後ステップアップの移籍が噂される注目株をピックアップしてみました。アルゼンチン代表のフリアン・アルバレス(22歳)やクロアチア代表のヨシュコ・グバルディオル(20歳)といった新世代の顔となる選手たちは多くのメディアで紹介されているので、個人的にしびれた“縁の下の力持ち”たちを中心にフォーカスを当てたいと思います。
モロッコの“縁の下の力持ち”ウナヒ、ぜひ注目を!
私のイチオシは、モロッコ代表のアゼディン・ウナヒです。リーグ・アン(フランス)のアンジェでプレーする22歳。今シーズンは最下位に沈むチームに所属していることもあり、正直、W杯が始まるまであまり知らなかった選手でしたが、アフリカ勢初となるベスト4進出の原動力になりました。グループステージのプレーぶりを見て驚かされましたね。
モロッコはハキム・ツィエク(チェルシー)やアクラフ・ハキミ(パリSG)、ノゼア・マズラウィ(バイエルン)といったビッグクラブでプレーする選手のほか、今大会で獅子奮迅の活躍を見せたソフィアン・アムラバト(フィオレンティーナ)を擁するタレントの宝庫でもありました。その中で光ったのがウナヒのサポート力です。
主にアンカーを務めたアムラバトの少し前に陣取り、豊富な運動量で攻守にわたるサポートが見事でした。テクニックはもちろん、推進力もある選手なのでパスに逃げずにボールをしっかり運べる。ゴール前にもよく顔を出していましたね。まだ身体も華奢ですし、ボールを持ちすぎる癖もある。決して試合を決定づけるタイプではないのですが、こういった質の高い“サポートプレーヤー”がいたからこそ、個性豊かな選手たちが実力を出し切れたのではと思います。
W杯で世界を打ち倒していくためには、やはり“個”を伸ばさないといけない。ただそれでいて、組織としても充実しないと勝てない。二兎追わないとW杯では勝てないんです。そういう観点で考えると、ウナヒのような技術を持ちながら組織を機能させる選手はその象徴だったかなと思います。まだ若いですし、間違いなく“狙われる”1人。今後に注目です。
三笘のブライトンにいるカイセドとマクアリスター
続いて推したいのはエクアドル代表のモイセス・カイセド。三笘薫と同じブライトンに所属する選手です。