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「何だ、アイツは…?」相手サポーターが“ミトマ”をスマホでググった…“プレミア再開”三笘薫(25歳)のドリブルに英国ファンもビックリ
posted2022/12/30 11:03
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph by
AFLO
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「オォ……何だ、アイツは……」
日本代表MF三笘薫がキックオフからわずか3分後にドリブル突破を見せると、サウサンプトンのサポーター席がザワついた。
12月26日に行われたサウサンプトン対ブライトン戦。この試合をホームのサウサンプトン側スタンドで観戦した関係者によれば、三笘がドリブル突破からシュートした直後、周囲のファンから驚きの声が上がったという。
この場面で日本代表MFは、軽やかなステップと素早い身のこなしでマーカーをかわしてシュート。GKにブロックされて得点にはならなかったが、スタンドでは三笘のドリブルに目を丸くし、スマートフォンで日本代表アタッカーの詳細を検索する者もいたという。強烈なドリブル突破を目の当たりにし、相手サポーターは警戒心を一気に強めたのである。
いきなり反省の言葉「そこは課題です」
その後も、4−2−3−1の左MFで出場した三笘は精力的に攻め続けた。左サイドを駆け上がってクロスボールを上げたり、角度のない位置からGK強襲のシュートを打ったりと、危険なプレーで相手ゴールを脅かした。前半35分には、攻撃参加で前線に駆け上がった左SBペルビス・エストゥピニャンにスルーパス。エクアドル代表DFのクロスボールは相手のオウンゴールを誘い、チームの2点目につながった。
三笘は後半も手綱を緩めず、クロスに合わせてヘディングシュートを打てば、マーカー2人をかわして速い弾道のクロスを入れたりと、積極的な仕掛けでチャンスを呼び込んだ。ファイナルサードで大きな存在感を示し、ブライトンで初の先発フル出場を果たして3−1の快勝に貢献したのだった。
だが試合後、三笘に浮かれた様子はまるでなかった。いつもの試合と同じ様に、まず口にしたのは反省の言葉と課題についてだった。
「ゴールを決めきれなかったシーンが多かったので、そこは課題です。自分たちのサッカーができたので良かったですけど、ああいうチャンスを決め切れないと厳しくなってくる。(記者:積極的に攻めていたのは戦術面で監督の指示なのか) いや、そこは自分に求められているところなので。いい形でボールが来れば、仕掛けないといけないと思っている。勝負するのは普通かなと思います」
“13日間”の濃密な時間
今回のサウサンプトン戦は、ブライトンにとって実に約40日ぶりの国内リーグ戦だった。激戦が繰り広げられたカタールW杯の大会期間中、各国の国内リーグはいったん中断。プレミアリーグも完全にストップし、12月26日から再開となった。