水沼貴史のNice Middle!BACK NUMBER
「三笘薫をブライトンで生かして(笑)」「堂安は今…」W杯後も水沼貴史が注目の7人 “100億円超の男”ムシアラとベリンガムの才能は?
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水沼貴史Takashi Mizunuma
photograph byANP/Getty Images
posted2022/12/31 06:05
9月シリーズの日本vsエクアドルでマッチアップしたカイセド(左)と三笘薫。ブライトンでどんな連係を見せるか
まさかのグループリーグ敗退を喫しましたが、19歳で堂々スタメンに名を連ねているのは大きなポテンシャルがあるからこそ。繊細なテクニックに加えて、大胆さも合わせ持っているので相手にとってはすごく厄介な選手です。
初戦の日本戦は気負いがあったんでしょうか。バイエルンの試合を見ている限り、ムシアラがあんなふかしたシュートを見たことがありません。いつも通りだったら絶対にゴールの枠に入っている。そういう意味では日本は助かりましたね(笑)。
あくまでも憶測ですが、その2日前の試合で同じ19歳のイングランド代表ジュード・ベリンガムがゴールを決めた影響もあったかもしれません。
ムシアラはアンダー世代のころはイングランド代表を選択していましたから、ベリンガムとはチームメイト。今はバイエルン、ドルトムントと同じブンデスリーガに所属していますから相当意識しあっているはずです。市場価値もとんでもない額がついています(ムシアラ=1億ユーロ/約142億円、ベリンガム=1億1000万ユーロ/約156億2000万円)。対照的なW杯を過ごした2人がどんな4年間を過ごすか目が離せません。
“フライブルクに残る”選択を堂安にオススメしたい理由
さらにブンデスリーガは日本人選手がたくさん在籍しているので、楽しめるポイントが多いですよね。後半戦の注目選手として、あえて1人を挙げるならW杯で大活躍した堂安律でしょう。
普段リーグを観ていない方からすれば、バイエルンに次ぐ“リーグ2位”にいるチームのレギュラーだということを知らなかった方も多いかもしれませんね。ここは声を大にして言っておきましょう(笑)。
フライブルクは全員がハードワークするチーム。堂安も攻守においてとても貢献度が高く、現在は右サイドのレギュラーとして欠かせない選手になっています。クラブを12年も率いているシュトライヒ監督からの信頼も厚いですね。前線でボールを収めるのが上手いルーカス・ヘイラー(ドイツ)は怪我で出遅れていたのですが、彼が本調子に戻って来ればもっと堂安が点を獲れるエリアに侵入できるチャンスが増えるでしょう。
W杯の活躍によって移籍の噂が絶えませんが、私は今はフライブルクに残った方がいいかなと見ています。ブンデスリーガの上位クラブで、チャンピオンズリーグ出場権を争う経験はとても貴重。しかもレギュラーとして出場機会を確保できているのが大きい。ビッグクラブでは試合に出られる環境があるかは分からない。フライブルクを堂安の力で引き上げる形でフィニッシュさせることができれば、さらにいい条件のオファーが届くでしょう。
森保一監督の続投も決まり、2026年W杯に向けた歩みが始まりました。個々が所属するリーグでどんなプレーをして成長できるか。Jリーグを含めて彼らの“日常”を観ておくと、4年後のW杯をさらに楽しめると思いますよ。
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