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森保監督が“辞任の挫折”で得た経験、「ブラボー!」長友佑都はなぜ“酷評されてもタフ”なのか「ミスしても俺は関係ねえよって…」
posted2022/12/31 11:06
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Kiichi Matsumoto/JMPA
<名言1>
人生いいことばかりじゃないよ、と教えられた気がします。
(森保一/Number943号 2018年1月4日発売)
◇解説◇
日本代表はカタールW杯でアジア勢史上初となる2大会連続決勝トーナメント進出を果たした。その中にあって信念を貫く采配でチームを率いたのが森保一監督だ。前半に劣勢を強いられたドイツ戦では後半開始から3バックに変更する采配、さらに試合中に絶えずメモを取る姿に注目が集まった指揮官は、選手時代にいわゆる「ボランチ」というポジションを認知させた1人で、引退後は指導者としても結果を残してきた。
成績不振で広島の監督を辞任した時の経験を
冒頭の言葉は、監督としてのキャリアをスタートさせたサンフレッチェ広島での5年半を振り返ったときのものだ。3度のJ1リーグ優勝に導きながら、最後の2017年は成績不振でシーズン半ばに辞任の憂き目にあった。監督にはつきものの挫折だが……森保監督はポジティブに捉えていた。
「この経験を次にどう活かせるかという視点で考えるようになりました」
ロシアW杯からカタールに向かうまでの道のりは、全ての期間で順風満帆だったわけではない。特にアジア最終予選では序盤3試合を終えて1勝2敗とスタートダッシュに失敗し、“解任論”が声高に叫ばれた時期もある。
それでも4-3-3への布陣変更、田中碧や三笘薫らの抜擢によってその後6連勝を飾ってW杯切符を手に入れるなど、苦境に立たされた際の胆力は見事なものだった。
ミスを叱責して選手を萎縮させてしまうよりは…
<名言2>
サッカーって、数ある球技の中で最もミスが起こるスポーツだと思うんです。
(森保一/Number839号 2013年10月17日発売)
◇解説◇
こちらもサンフレッチェ広島監督時代の発言だ。このあと「ですから、ミスを叱責して選手を萎縮させてしまうよりは、ミスをしても取り戻そうとする姿勢を求めていくべきじゃないかな」と続けた。
森保監督らしい指導法ではあるが、「思わずおいおいって言いたくなるときは多々あるんですけどね(笑)」と本音もチラリと覗かせていた。
2022年12月28日、続投発表会見に臨んだ森保監督は「日本サッカーの歴史として積み上げてきたことを次に生かし、さらにブラッシュアップしていくことを考えなければいけないと思っています。これまで通りで通用するとは思っていませんし、自分自身が一番気を引き締めて、個の発掘、個の育成など、すべてにおいてのレベルアップをやらなくてはいけない」と語っていた。