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ドラフト1位公表“1時間前の知らせ”に「まさか」…楽天・荘司康誠が語る“リーグ戦わずか2勝”の立教大時代「学生コーチ転向も考えていた」

posted2022/12/21 17:31

 
ドラフト1位公表“1時間前の知らせ”に「まさか」…楽天・荘司康誠が語る“リーグ戦わずか2勝”の立教大時代「学生コーチ転向も考えていた」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

ドラフト1位指名を受けた楽天に入団する荘司康誠。右は沖原佳典スカウト

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田口元義

田口元義Genki Taguchi

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 こちらの想像の上を行っていた。

 楽天から配布された新入団選手のプロフィールにあった座右の銘のルーツを問うと、ドラフト1位の荘司康誠はすぐに答えた。

「孔子の言葉なんですけど」

 それは、『論語』の中にある孔子の言葉を元にした格言「信は力なり」だった。

 孔子が弟子に、為政者の心構えをそう説いたとされるが、こちらの脳裏に真っ先に浮かんだのはこれではなかった。

「『スクール☆ウォーズ』……ですよね?」

 荘司が探りを入れるように切り出す。正解である。80年代に一世を風靡した学園ドラマで、主人公が座右の銘としていた言葉だ。そのモデルとされ、荒廃していた伏見工ラグビー部を全国屈指の強豪へと押し上げた名将、山口良治の理念としても知られている。

 語源を孔子と理解し、まだ生まれてすらいない時代のドラマにも使われていたのだと認識しているところからも、荘司がいかに柔軟な思考の持ち主なのかが分かった。

 改めて聞く。なぜ「信は力なり」なのか?

「国を作る側の人間は、生活とか軍事を安定させて、国民から信頼されないといけないって意味で。そのなかで信頼が一番大事って言われていて。自分に置き換えた時に、『自分自身を信じることで力にできるんだ』と」

投げられない日々…学生コーチ転向も考えていた

 荘司がこの言葉と出会ったのは、立教大2年の時だった。

 当時はまだ、東京六大学リーグで登板したことがなかった。それどころか、1年の終わりあたりから右肩痛に悩まされ、まともに投げることさえ叶わない。そんななか荘司は、「だまし、だまし投げていても中途半端なピッチャーで終わる」と、肉体強化に励んだ。

 だからと言って、投げられない不安から解放されたわけではない。「これ以上、チームに貢献できないなら……」と、一時は学生コーチやマネージャーへの転身が脳裏をよぎることもあったのだと、荘司は打ち明ける。

【次ページ】 目立った実績はゼロ。荘司の中高時代

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