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W杯トロフィー「門外不出の製造過程」を特別に撮った…4代目女性社長いわく「情熱が工房の隅々にまで息づいています」 

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パオロ・ヴェッゾーリ

パオロ・ヴェッゾーリPaolo Vezzoli

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posted2022/12/18 17:00

W杯トロフィー「門外不出の製造過程」を特別に撮った…4代目女性社長いわく「情熱が工房の隅々にまで息づいています」<Number Web> photograph by Paolo Vezzoli

W杯トロフィーを製造している工場に潜入。写真で製造工程を追ってみた!

 だが、02年の日韓W杯の後、定期的な修復作業のためベルトーニ社の工房へ“里帰り”したトロフィーに長年蓄積された微細な損傷が見つかり、FIFAはオリジナルをチューリッヒ本部に常時保管することを決定。これに合わせて、06年ドイツ大会から優勝国への公認レプリカ品の贈与が始まり、今大会に至っている。

4代目の女性社長が語る“職人としての誇り”

 ベルトーニ社は4年に1度、大会のたびに1つだけ、レプリカ・トロフィーを作り上げる。世界中のサッカー選手たちが憧れる金色の優勝杯だ。

 創業者の曾孫にあたる4代目の女性社長ヴァレンティーナ・ローサは、カタール大会へトロフィーとメダルを送り出した後、胸を張った。

「私たちの会社には、先代や先々代にあたる父ジョルジョと祖父エウジェニオ、そして偉大なガッザニガの情熱が工房の隅々にまで息づいています。彼らは会社と工房をまるでわが子のように、愛情を込めて育て上げました。今度は私の番です」

 そんな“ワールドカップを作る会社”では、2人の若者が新たに職工見習いとして働き始めた。そしてカメラの前で被写体になってくれた社員たちには、職人としての静かな誇りがにじみ出ている。

 このW杯トロフィーを生み出し、魂が継承されているガッザニガとはどんな人物なのか――。

<#2につづく>

#2に続く
W杯を作った“世界一のトロフィー職人”は内気なイタリア人だった 「私にとって毎日食べるパン、愛娘のようなもの」95年の美しい人生

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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