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ノムさん「イチロー封じ?終わったから言っていいでしょう」、山田久志「辞表を覚悟して…」ヤクvsオリ日本シリーズは今も昔もアツい 

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posted2022/10/27 17:02

ノムさん「イチロー封じ?終わったから言っていいでしょう」、山田久志「辞表を覚悟して…」ヤクvsオリ日本シリーズは今も昔もアツい<Number Web> photograph by JIJI PRESS

1995年日本シリーズを前にした仰木彬監督と野村克也監督

 宇田川優希や山﨑颯一郎ら剛腕リリーフ陣が今年の日本シリーズでは目立っているが、昨季からの主力である宗佑磨、“最後のPL戦士”である中川圭太、さらに頓宮裕真、佐野皓大、太田椋、紅林弘太郎らといった20代前半から中盤にかけての野手を辛抱強く起用し、信頼を見せている。

 中嶋は阪急・オリックス以降も、西武、横浜、日本ハムと渡り歩き、あまたの一流投手のボールを受け止めてきた。興味深いのは、ルーキー時代のダルビッシュ有をこのように振り返っていたことだ。

「あの練習嫌いがよくぞあそこまで鍛え上げたよなと思います。キャンプで150球も投げてたのは、うちの投手陣ではあいつぐらいでした」

 数々の球団で様々な才能の努力を見てきた中嶋監督。だからこそ選手それぞれの個性に気づく育成をできているのだろう。

イチロー対策のミーティングで1日が潰れた

<名言3>
バッテリーのミーティングを4日間やった。そのうち、イチローで1日潰れたかな。
(野村克也/Number379号 1995年11月9日発売)

◇解説◇
 95年の日本シリーズで焦点となったのは、イチローをめぐる攻防である。

 前年にシーズン210安打を放ったイチローは、この年にさらなる進化を果たしていた。打率.342、25本塁打80打点49盗塁179安打という成績で、首位打者・打点王・盗塁王・最多安打・最高出塁率のタイトルを獲得。本塁打王争いも繰り広げ、三冠王の可能性まであったほどだ。

 そんなイチローをどう封じるのか。野村監督、そして球界ナンバーワン捕手の地位を確立していた古田敦也や投手陣、そしてスコアラーに課された命題だった。野村監督は日本シリーズ後のインタビューで、エモやんこと江本孟紀氏にこう語っている。

「オリックスのマジックが3になったところで(スコアラーに)出動命令を出したんですよ。1試合でも2試合でも見ないよりはましだろうと。そうしたら4連敗してくれて、結局12試合見ることになった。それでずいぶん情報が集まった」

 もちろん他の打者もチェックはしていたようだが、一番ケアしていたのはやはり背番号51の傾向について。「イチロー封じというのは、どうしても避けて通れない。彼に活躍されると球場の雰囲気が盛り上がるし、オリックスのムードも盛り上がる。ペースというのがどうしてもオリックスにいきますしね」と、徹底してミーティングを対策したことを明かしている。

 ただし、年月を経ると、こんな打ち明け話もある。

【次ページ】 高津監督にも“ノムラの教え”は受け継がれている?

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