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J1昇格に得点王、それでも小川航基25歳の自己評価は「まだまだ」…くすぶり続けた東京五輪世代の大器が横浜FCで迎えた覚醒のとき

posted2022/10/18 11:02

 
J1昇格に得点王、それでも小川航基25歳の自己評価は「まだまだ」…くすぶり続けた東京五輪世代の大器が横浜FCで迎えた覚醒のとき<Number Web> photograph by YUTAKA/AFLO SPORT

今季ここまで40試合に出場して24ゴールをあげた小川航基は、2位以下に大差をつけてJ2得点ランキングを独走。横浜FCのJ1昇格の原動力となった

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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YUTAKA/AFLO SPORT

 “ハマブルー”がJ1へ戻ってくる。10月16日に行なわれたJ2リーグ41節で、横浜FCが1年でのJ1復帰を決めたのだ。

 シーズン開幕から13戦負けなしの好スタートを切った。折り返しの21節時点ではアルビレックス新潟、ベガルタ仙台に次ぐ3位だったが、後半戦初戦で仙台との直接対決を制し、J1自動昇格圏の2位に浮上する。その後は新潟と首位争いを展開していき、1試合を残して歓喜を呼びこんだ。この日行なわれたツエーゲン金沢とのナイトゲームは落としたものの、3位のファジアーノ岡山がデーゲームで敗れたため、試合前に2位が確定したのだった。

“東京五輪世代のエース”と呼ばれたが…

 シーズンを通して安定して力を発揮したチームで、J1復帰の原動力となったのは25歳の小川航基だ。ここまで24ゴールを叩き出して得点ランキングを独走(2位はチアゴ・アウベスの16ゴール)しており、日本人選手では18年の大前元紀以来となるJ2得点王は確実だろう。

 世代別代表でエースと呼ばれてきた。17年のU-20ワールドカップでは、冨安健洋、板倉滉、中山雄太、堂安律、久保建英らとともにメンバー入りし、初戦の南アフリカ戦で先制ゴールをあげた。

 東京五輪へ強化を進めていくチームでも、攻撃の柱と見なされてきた。19年12月には若手主体で臨んだE-1選手権で日本代表入りし、デビュー戦の香港戦でハットトリックを成し遂げた。

 一方で、プロ入りから6シーズンを過ごしたジュビロ磐田では、苦しい時間を過ごした。

 16年のプロ入りから18年まではJ1で1ゴールしか記録できず、19年途中にはJ2の水戸ホーリーホックへの期限付き移籍を経験した。磐田がJ2に降格した20年は32試合に出場して9得点を記録したが、21年はJ1昇格を勝ち取ったチームでポジションをつかめなかった。24試合に出場したがスタメンは1試合のみで、得点もわずか1に終わった。東京五輪のメンバー入りも逃した。

 このままスポットライトから遠い存在になってしまうのか。

 それとも、ここから這い上がっていけるのか。J1へ昇格した磐田を離れ、J2へ降格した横浜FCへ完全移籍した小川にとって、22年は自らの存在価値を証明するシーズンだっただろう。

【次ページ】 両足と頭でまんべんなくゴールを量産

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