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なぜオリックスは11.5差から逆転できた?「っしゃ!俺も抑えたろう」覚醒の中継ぎ陣が優勝争いを楽しめた理由《2年連続最下位→連覇》
posted2022/10/05 11:02
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
JIJI PRESS
一昨年まで2年連続最下位だったオリックスが、パ・リーグ連覇を成し遂げた。
昨年25年ぶりのリーグ優勝を果たしたオリックスは、目立った補強なく今季に臨んでいた。昨年より調子を落とした選手もいた。
なぜ連覇できたのか。やはり中嶋聡監督の手腕と、投手力が大きい。特に昨年と比べてプラスになっていたのが、リリーフ陣。シーズン終盤戦のブルペンには勢いがあった。
優勝を決めた直後のインタビューで、中嶋監督は言った。
「野手のみんなもわかっていると思いますけど、うちのピッチャー陣の頑張りがなかったらここまでは来れなかったんで、まだまだ先がありますけど、野手陣、頑張ってください」
阿部、本田、宇田川、そして山崎颯一郎
前半戦は試行錯誤が続いたが、後半戦、ブルペンに力強さが増していった。最終戦で胴上げ投手になった2年目の阿部翔太は、シーズンを通して44試合に登板し、0.61という驚異的な防御率を残した。5年目の23歳・本田仁海が夏場にかけて調子を上げ、先発だったジェイコブ・ワゲスパックが7月下旬に中継ぎに加わった。
さらに、育成2年目の宇田川優希が7月28日に支配下登録を勝ち取り、8月以降19試合に登板し防御率0.81。最速158キロの豪速球とフォークを武器に、終盤戦の重要な場面で相手をねじ伏せた。
そして最後のピースとなったのが、24歳の山崎颯一郎。昨年は先発投手としてシーズン終盤に優勝争いに加わり、日本シリーズでも好投。今年は開幕ローテーションに入った。だが結果が出ず、中継ぎとして再調整した。
リリーフ転向の理由を中嶋監督はこう明かす。