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JRAジョッキー戸崎圭太42歳が剣道場の代表になっていた! 本人に聞いた決断の理由「これで成績が下がったら、多分叩かれるだろうな。ただ…」
posted2022/08/05 11:02
text by
齋藤裕Yu Saito
photograph by
Keiji Ishikawa
そう語るのは、2014年~2016年と3年連続JRA最多勝利騎手にもなったトップジョッキーの戸崎圭太だ。今年も7月末までに70勝を挙げ、JRA騎手の勝利数ランキング3位につけている。鞭を振り、たくさんの栄光を掴み取ってきたバリバリの現役騎手が、馬を降りては竹刀を振る――。前代未聞の"二刀流"に踏み出した理由と経緯を聞いた。
――剣道場の総代表になるまでの経緯を教えてください。
戸崎 まず、剣道に携わることになったのは、子どもたちが剣道をやりだしたのがきっかけでした。8年前に当時小学2年生の長男が「剣道をやりたい」と言い出して。自分も妻も剣道にはまったく関わりがなかったのですが、彼の中で「カッコイイ」と思ったんでしょうね。長男に通わせてみると、当時、幼稚園の年長の次男もやるようになり、中学生だった長女もやるようになった。結果的に今では子ども全員が剣道をやっています。そして僕も見学していて、やってみたいなと思い、剣道を始めたんです。
――剣道一家ですね。家庭内でも剣道の話になったりするんですか?
戸崎 話というか、子どもたちが剣道の動きをやったりするんです。そうすると床に音が響いたり、騒がしくなったりするので、「うるさいっ! やめなさい」と注意したりしますね(笑)。
――そのお子さんたちの影響を受け、戸崎さんはいつから剣道を始めたんですか?
戸崎 2019年の夏くらいからですね。自分の成長につながればと思い、新しいことも取り入れてやってみようと。ただ、その年の11月にレースで落馬しケガをしてしまったので(右肘開放骨折などの重傷を負った。2020年5月に復帰)、稽古を積んだのは半年ほどでしたが、良い経験になりました。
――どういった魅力がありましたか?
戸崎 まずは相手との間合いですね。相手を読まなきゃいけないし、自分も技を磨かなくてはいけない。面、小手、胴、突きと技の種類自体はシンプルですが、その中で自分の動きを組み合わせて、頭も使っていく。かつ速さも求められて……というところに剣道の奥深さを感じました。
騎手は反射神経が良いイメージがあるが、剣道では?
――競走馬に乗りながら一瞬の判断が求められる騎手は反射神経が良いイメージがあります。剣道もうまかったんじゃないですか?