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JRAジョッキー戸崎圭太42歳が剣道場の代表になっていた! 本人に聞いた決断の理由「これで成績が下がったら、多分叩かれるだろうな。ただ…」
text by
齋藤裕Yu Saito
photograph byKeiji Ishikawa
posted2022/08/05 11:02
新設された道場の総代表となったジョッキーの戸崎圭太。本人にその経緯を聞くと……
戸崎 やるからにはやっぱり責任がともないますし、騎手の仕事をしながらやらなくてはいけないこともたくさん出てくる。すぐ返事ができず、2週間ほど色々考えました。私は競馬の世界でしか生きてこなかったので、外の世界を知りません。だからこそ、自分にとってこれがいい経験になるのかなと思ったのと、自分が代表となり子どもたちや保護者のみなさんの役に立つのであればいいなと思い、引き受けました。
――そうして6月から始まった道場では実際どのような活動をしているのでしょうか?
戸崎 月曜と金曜をメインに小学校の体育館や他の施設などを借りたりしながら週3~4回のペースで稽古を行っています。19時から2時間ほど、前半は剣道着での鬼ごっこや「ぐるぐるバット」のような遊びをウォーミングアップで取り入れつつ、後半は足さばき、素振り、基本打ち、地稽古、試合形式の稽古などを行っています。
――どのような方が参加されているのでしょうか?
戸崎 現在、幼稚園の子から大人まで33名が会員になっています。年齢層としては小学生が12名と多いですね。
剣道を始めて、競馬ファンからの批判は?
――最近でこそ大谷翔平選手の活躍で“二刀流”も理解されるようになりましたが、アスリートが他のスポーツにも力を入れていると、「本業をちゃんとやれ」「1つのことに専念しろ」という批判的な声も未だに多くあると思います。特にファンがお金を賭ける競馬はなおさら厳しいイメージがあります。そのあたりは悩みませんでしたか?
戸崎 発表した時にすごく感じたんですけど、これで成績が下がるようだったら、多分叩かれるだろうな、と。ただ、代表を引き受けた時点では、それとこれとは別というか。あまりそこは考えなかったですね。これが原因で成績が落ちるなら、まあそれぐらいのレベル(の騎手)だったということなのかな、というくらいに考えていました。
――たくましいですね。実際、総代表となって、忙しさとしてはどうですか?
戸崎 立ち上げの時は忙しかったですね。今も役員会や理事会などがあり、そういう面で多少時間を割いている部分はあります。他の保護者の方の予定に合わせて平日の夜にやっていて、朝に調教をすませて、理事会に出席するという日もあります。