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「投手・オオタニvsトラウトが実現する可能性も…」”WBC軽視”のアメリカが本気になった理由<トラウト主将に込めたメッセージとは?>
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byGetty Images
posted2022/07/25 17:02
オールスターに選出されたトラウト(左)と大谷。トラウトいわく2人の投打の対戦は「一度もない」とのこと
アメリカチームは”志願”選手を重要視
第1回大会で米国が敗退した当時、バド・セリグ・コミッショナーは、大会の意義と将来の展望についてこう語っている。
「この大会は、世界中の球界のためになるだろう」
たしかに米国以外の国々で、WBCへの注目度は高まっていった。侍ジャパンの連覇に始まり、13年の第3回大会はドミニカ共和国が初制覇。米国のスタジアムで他国の選手が歓喜に沸く光景を、米国のファンはまたしても見せつけられることになった。「野球発祥の国」を自負する米国が、これ以上、遅れを取るわけにはいかなかった。
迎えた17年。米国はワールドシリーズ(WS)を4回制したジョー・トーリ氏(元ヤンキース監督)をGMに、WS1回制覇のジム・リーランド氏(元マーリンズ監督)を監督に据え、真剣勝負で大会に臨んだ。トーリ、リーランドの両名将は、ビッグネームにこだわることなく、個々の選手への聞き取り調査からスタートし、「代表への誇り」を持つ選手をエントリーした。打撃だけでなく守備力のある選手を求め、「選抜」ではなく、「志願」の意思を持つメンバーでチームを構成し、初めて栄冠を勝ち取った。
まさかのMAGA
トロフィーを手にしたリーランド監督は、感慨深そうに言った。