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中村憲剛に聞く「なぜE-1の日本代表にはマリノスと広島の選手が多い?」キーワードは“インテンシティ”と“構築されたコンビネーション” 

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中村憲剛+戸塚啓

中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka

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photograph byKoji Watanabe/Getty Images

posted2022/07/17 17:02

中村憲剛に聞く「なぜE-1の日本代表にはマリノスと広島の選手が多い?」キーワードは“インテンシティ”と“構築されたコンビネーション”<Number Web> photograph by Koji Watanabe/Getty Images

横浜F・マリノスから7人、サンフレッチェ広島から6人の選手を招集した森保一監督。元日本代表の中村憲剛氏にその狙いを解説してもらった

 一方のF・マリノスも、ここ数シーズンは攻守にインテンシティが高いスタイルです。どちらのチームも戦術、技術などしっかりとしたコンセプトのもとで戦っていますが、とくにこだわっているのは攻守における強度と走力の部分なのかなと。

 Jリーグを見渡すと、ハイインテンシティのチームはその他にもあります。ただ、そのコンセプトをより前面に押し出して戦い続け、なおかつ上位にいるのが広島とF・マリノスだと思います。

 プレーの強度は森保監督もかねてから求めていて、世界的にも追求されている要素です。広島とF・マリノスから招集された選手たちは、そういうチームスタイルのなかでオリジナリティを発揮している、と言っていいのではないかと思います。

鈴木優磨は「呼ばれてもおかしくない。ただ…」

 もうひとつ付け加えたいのは、この大会のスケジュールです。

 E-1選手権に招集された選手たちは、16日または17日にJ1リーグを消化し、19日の香港戦に臨みます。日程的にもメンバー的にも、トレーニングもままならないぶっつけ本番で大会に突入していきます。

 初顔合わせも多く、短期間のトレーニングではコンビネーションの構築はとても難しい。そうなると、森保監督の求めているインテンシティをベースにしているチームから、コンビネーションがすでに構築されている選手を多く呼ぶことは、チームを作るうえで妥当なのかなと思いました。

 2位の鹿島アントラーズから、ひとりも招集されていないことが取り上げられています。J1の得点ランキングでトップだった上田綺世がベルギー1部のクラブへ移籍したこともありますが、上田と2トップを組んで好調を維持している鈴木優磨の招集を、予想した人が多かったのでしょう。

 Jリーグでのパフォーマンスを見る限り、呼ばれてもおかしくないなと思います。ただ、誰を選ぶのかは監督の専任事項であり、選手が代表に入る理由、入らない理由は監督・スタッフのなかにあると思います。それは鈴木だけではなく、他のクラブでいま活躍しているけれど選出されなかった選手たちも同じです。

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