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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
中村憲剛に聞く「なぜE-1の日本代表にはマリノスと広島の選手が多い?」キーワードは“インテンシティ”と“構築されたコンビネーション”
posted2022/07/17 17:02
text by
中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka
photograph by
Koji Watanabe/Getty Images
国内組にとっては、カタールW杯へのラストチャンスだ。
7月19日開幕のE-1選手権に向けて、森保一監督は26人の選手を発表した。国際Aマッチ出場経験のない選手が12人、そのうち代表初招集が10人で、パリ五輪世代も3人含まれている。
その一方で、32歳にして初の代表入りをつかんだ水沼宏太や、およそ10年ぶりの招集となった宮市亮のような選手もいる。カタールW杯アジア最終予選のピッチに立ったのは佐々木翔、谷口彰悟、山根視来の3人だけだ。
元日本代表の中村憲剛氏は、東アジア選手権と呼ばれていた2008年と2010年の同大会に出場している。W杯へのサバイバルを体験した視点も交えて、森保一監督の狙いを読み解いてもらった。(全2回の1回目/後編へ)
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メンバーを見た最初の印象は「新鮮だな」でした。
E-1選手権はインターナショナルマッチデイを使った開催ではないので、海外組は招集できません。森保監督は国内組の主力も招集しない方針を当初から打ち出しており、今回はJリーグでいまインパクトを残している選手、国内組で過去に招集経験のある選手に加え、東京五輪世代とパリ五輪世代からも選手が呼ばれました。国際Aマッチに出場したことのない選手が多く、フレッシュなチーム編成になっています。
「マリノス7人、広島6人」の偏りをどう見るか
チーム別に見ると、横浜F・マリノスから7人、サンフレッチェ広島から6人選ばれています。2チームで全体の半分を占めています。
少しチームに偏りがあるなとは思って見ていましたが、7月15日時点でF・マリノスはJ1の首位で、広島は4位です。どちらも好調なわけですが、両チームの共通点を探していくと「インテンシティ」があげられます。
広島は今シーズンからミヒャエル・スキッベ新監督が指揮を執り、ハイインテンシティで強度と走力を重視したサッカーを展開しています。前線からの連動した強度の高いプレッシングや、背後に飛び出す積極的なランニング、チャンスと見るや後ろから選手がどんどん湧き出てくる運動量と走りの質に特徴があります。