- #1
- #2
核心にシュートを!BACK NUMBER
板倉滉が“内田篤人に続いてシャルケで愛された”理由「スライディングしなくていいところでも…」「自分から握手しに」〈インタビュー〉
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph bySatoshi Shigeno
posted2022/06/15 17:02
シャルケで進境著しい1年を送った板倉滉。6月シリーズの前にインタビューに応じてくれた
――昇格を求められる重圧は大きかった?
「移籍前から『1年で1部に戻らないといけない』と何度も言われていましたからね。もちろん、あのスタジアムを見れば、シャルケが2部にいるようなクラブではないのがわかりますよね。あと、自分にもプレッシャーをかけていましたし」
――というと?
「『シャルケを1部に上げないと、来シーズンもシャルケでプレーすることはできないぞ』と言い聞かせて戦っていました」
――その経験は板倉選手の将来に活きそうですね。
「6万人以上が入るスタジアムでプレーできて、初めてビッグクラブというものを体験しました。そんな環境で31試合に出場できたのは間違いなくプラスです。メンタル的な成長など、細かいことを挙げればきりがないですが、こういうクラブで1年間を通して試合に出られたことが一番大きいと思います」
バスで7時間くらい移動することもあって
――シーズン途中に加入して、最初の試合では後半開始時からの出場でしたが、それ以降は全て先発。怪我や出場停止による欠場も、一度もありませんでした。
「当然ケガはしたくないし、食事をはじめとして、体調管理には気をつけてはいました。ただ、避けられない接触で、どこかを痛めてしまうことはあります。自分は痛みには強い方なのですが、常に意識を次の試合にむけてやったのは良かったかなと」
――というと?
「僕はもともと、ケガで練習を休む選択はあまりとらないタイプだったんです。ただ、筋肉系のケガの場合には、軽い症状でも、無理をしてプレーすると、悪化して、長期離脱につながる可能性もあります。なので、今シーズンはそういうリスクを感じたら『こういう状態だから、今日は(練習の強度を)少しだけ落としていいですか』と素直に伝えるようにしました。試合に出続けるためには、そこでコントロールすることも大事だなと感じました」
――ケガのリスクだけではなく、疲労を考えても、ドイツの2部は過酷ですよね。1部よりも辺ぴな地域にあるクラブが多く、試合のための移動時間が長くなりがちです。それなのに移動もバスが中心で、特急列車を使うときにも1等車(*日本の新幹線のグリーン車)ではなく、プロサッカー選手には手狭な2等車で。
「そうなんですよ! バスで7時間くらい移動することもあって」
こういう経験をするのもよかったのかも
――それはきついですね。
「試合前日の練習が終わって7時間かけて、移動して。翌日は試合後に7時間かけて戻ってくる。ナイターの試合だと、帰宅は朝になりますから。1部はチャーター機が用意されていたりしますけど、2部ではなかなか……」
――昨シーズンまで所属していたオランダのフローニンゲンはもちろん、そのあたりはJ1のほうが恵まれていますよね?