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核心にシュートを!BACK NUMBER
板倉滉が“内田篤人に続いてシャルケで愛された”理由「スライディングしなくていいところでも…」「自分から握手しに」〈インタビュー〉
posted2022/06/15 17:02
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Satoshi Shigeno
内田篤人から連なる名門クラブにおける日本人の歴史として、さらなる飛躍を果たしたときにさらなる意味を持つ成長の記録として、貴重な話が目白押しとなった前後編のインタビュー。
苦労した話でさえも「試練を乗り越えた先の快感を味わうためにあるんですよ」とでも言いそうな、底抜けの明るさと前向きな姿勢も板倉の強みである。2本立ての前編では「闘う」ことを求めるシャルケの熱狂的なサポーターに板倉が認められた秘密が明らかになった(全2回/#2も)。
すごかったですよ、朝までパーティーだったので
――シャルケでの1シーズンを振り返ってもらえますか?
「しびれる昇格争いをできて、メチャクチャ良かったなと思います。毎試合すごいプレッシャーを感じ、ピリピリした緊張感のなかでプレーしていましたから。そういう日々を1年間通して経験できたことが良かったです」
――1部昇格の喜びを実感したのはいつでしたか?
「ザンクト・パウリ戦に勝って昇格を決め、そのままスタジアムでパーティーをして……その後、家に帰ってからですかね」
――帰宅した後ですか?
「すごかったですよ。試合後に、すねあてをつけたまま、スタジアム内の施設で朝までパーティーだったので」
――めちゃくちゃですね!
「みんながビールを飲んで、歌って、スゴかったです。そのときは昇格の嬉しさから騒いでいたんですけど、それが終わり、家に帰ってフッと一息ついた時に『昇格したんだなぁ』と実感しました」
――ただ、平坦な道のりではありませんでした。シーズン終盤の3月、ホームのハンザ・ロストック戦に3対4で敗れた後、グラモツィス監督が解任されました。板倉選手は、シーズン途中の監督交代を経験するのは初めてですよね?
「初めてです。『厳しいな』と感じましたね。監督が代わる前の直近の試合は連敗していたわけではなく、1勝1敗1分でしたし。このタイミングで代わるのかと。シャルケというクラブの大きさや、昇格争いの厳しさを感じました」
シャルケを1部に上げないと、来シーズンも…
――当時、板倉選手が大きなプレッシャーを感じると話していたのが印象的でした。
「そうでしたね。気にし過ぎないようにしていたし、試合が始まれば『絶対に勝つぞ』と集中できていました。ただ、昇格を決めた後、ものすごく気が楽になったんですよ。そこで『あぁ、メンタル的に結構な負荷がかかっていたのか』と改めて気づきました」