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ヤクルト二軍が引っ越し予定…つくばエクスプレス愛用者の“ナゾの終着駅”「守谷駅」には何がある? 茨城の街で人口が増え続けてきた事情 

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鼠入昌史

鼠入昌史Masashi Soiri

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photograph bySankei Shimbun

posted2022/05/17 17:01

ヤクルト二軍が引っ越し予定…つくばエクスプレス愛用者の“ナゾの終着駅”「守谷駅」には何がある? 茨城の街で人口が増え続けてきた事情<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

写真は2020年3月のヤクルト戸田球場、二軍(イースタン)練習試合の村上宗隆と日本ハム・清宮幸太郎(右)。ヤクルトは二軍施設を茨城県守谷市に移転する協議を始めたと発表

 そして、守谷駅は秋葉原駅を出発する多くの各駅停車の終着駅になっている。夜の帰宅時間帯には通勤快速・区間快速・各駅停車が走っているが、各駅停車の多くが守谷ゆき。つまり、つくばエクスプレス愛用者にとっては“ナゾの終着駅”という存在でもある。

 もうひとつ守谷トリビアを挙げると、つくばエクスプレスは守谷駅を境に電化方式が異なっている。だいぶマニアックで恐縮だが、秋葉原~守谷間は直流電化、守谷~つくば間は交流電化。これは、直流電化だとつくば駅から筑波山を越えた先にある気象庁地磁気観測所の観測データに影響が出てしまうから。小難しくてよくわからないが、つまりは山手線などでも使われている直流電化だけではつくばまで達することができず、やむなく守谷駅を境に交流電化に切り替えているというわけだ。

 まあそんなことはお客にとっては関係のないことで、大事なのは東京都心から30分ちょっとで守谷の町に着く、ということである。

100年以上前からあった方の守谷駅

 つくばエクスプレスの守谷駅を降りると、何やら高架下にもうひとつ別の駅があるのが見える。ペデストリアンデッキを通じてつながってもいるこのもうひとつの守谷駅は、関東鉄道常総線のものだ。つまり守谷駅はつくばエクスプレスと関東鉄道常総線が交わるターミナル。といっても関東鉄道常総線、(地元の人でなければ)知っているのは少数派に違いない。

 関東鉄道常総線に乗って守谷駅から南へ行けば取手、北へ行けば映画『下妻物語』でもおなじみの下妻などがあるローカル線。

 新参者のつくばエクスプレスと比べれば歴史は圧倒的に古く、開業したのはなんと100年以上前の1913年。守谷駅もそのときに設置されているから、歴史のある町なのだろう。

 さらにぐっと歴史を遡ると、守谷には江戸時代初めにほんの短い期間だけ守谷藩という小さな藩もあったらしい。ただ、ほどなく廃藩になったこともあって城下町のようなものは形成されず、一貫して農村として時を過ごしてきた。近代以降もそれは変わらず、つまり守谷は鬼怒川が利根川に合流するという水の利に恵まれた田園地帯であり、およそ都市とはほど遠い地域であったのだ。

人口が増え続けてきた理由

 田園地帯から変わりはじめたのは戦後、それも1980年前後からのことだ。

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