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ヤクルト二軍が引っ越し予定…つくばエクスプレス愛用者の“ナゾの終着駅”「守谷駅」には何がある? 茨城の街で人口が増え続けてきた事情
text by
鼠入昌史Masashi Soiri
photograph bySankei Shimbun
posted2022/05/17 17:01
写真は2020年3月のヤクルト戸田球場、二軍(イースタン)練習試合の村上宗隆と日本ハム・清宮幸太郎(右)。ヤクルトは二軍施設を茨城県守谷市に移転する協議を始めたと発表
駅のすぐ西側には国道294号が通っていて、その道沿いにはいわゆるロードサイド系の店舗が並んでいる。ただ周辺にランドマークになるようなビルはなく、駅の東側に東横インがあるくらいだ。むしろ駅前に目立つのは駐車場。じつのところ守谷駅は、少し離れたところに点在するニュータウンを衛星として持ち、交通の拠点として存在しているということだろう。守谷駅の周りの駐車場は、そういったニュータウンに暮らす人たちが通勤のために駅までやってきてクルマを停めるためのものなのだ。
裏を返せば駅の周りにはまだまだ空き地があるということで、中層レベルのマンションがぽつぽつと目立つようになっている。駅の南西側には鉄道が通る以前からこの地域の中心であったであろう古い市街地があって、歴史を感じる商店街も見られるのだが、そういった街並みが駅のすぐ近くに残っているあたりは再開発もまだまだ途上ということか。
スワローズタウンは、そんな発展途上の町にやってくる。東京都心から約30分、一軍の本拠地たる神宮球場までも1時間かからず、つくばエクスプレス以外にも常磐自動車道が通るという交通の利便性が守谷移転の決め手なのだという。「茨城県守谷市」と聞くとずいぶん遠くに移転するような気がしてしまうが、実際は戸田ともそれほど変わらない。移転予定は2026年。その頃には、もしかしたら守谷駅の周りにはタワーマンションが建ち並ぶようになっているのかもしれない。
(写真=鼠入昌史)