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佐々木朗希の次は「大野雄大9回2/3完全投球」、100球未満完封「マダックス」も2回… 今季が“超・投高打低”な要因とは

posted2022/05/10 11:05

 
佐々木朗希の次は「大野雄大9回2/3完全投球」、100球未満完封「マダックス」も2回… 今季が“超・投高打低”な要因とは<Number Web> photograph by Nanae Suzuki/Hideki Sugiyama

9回2/3完全投球の大野雄大と、28年ぶり完全試合の佐々木朗希。今年のプロ野球は投高打低の傾向にある

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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 5月6日、中日の大野雄大は阪神戦で9回をパーフェクトに抑えるも味方の援護なく延長10回2死から115球目、145キロの高めの速球を佐藤輝明にとらえられ、中堅越えの二塁打を打たれた。

 9回までパーフェクトを記録しながら「完全試合」を達成できなかったのは2005年8月27日の楽天戦での西武の西口文也以来。29連続で取ったアウトのうち奪三振は5つであり、打たせて取る技巧が光っていた。

 100球未満の完封勝利を「マダックス」と呼ぶことに倣えば――9回までパーフェクトながら完全試合を逸することは「ニシグチ」と呼びたくなるが、大野と西口はともに9月26日生まれという偶然まで重なった。

開幕から50日足らずで投手の大記録が続出

 開幕から50日足らずだが、今年はめったに見られないはずの投手の大記録、好記録が続出している。

・完全試合
佐々木朗希(ロ)4月10日 ロッテ-オリックス戦
・ニシグチ(※9回までパーフェクトでの完全試合未達)
大野雄大(中)5月6日 中日-阪神戦
・マダックス(100球未満の完封勝利)
上茶谷大河(De)4月16日 DeNA-ヤクルト戦
加藤貴之(日)4月19日 日本ハム-楽天戦

 完全試合は28年ぶり史上16回目、前述した「ニシグチ」は17年ぶり2回目。マダックスは昨年は3回記録されたが、それ以前は2017年までさかのぼる。2002年以降では35回記録されただけだ。このほか5回以上のノーヒットピッチングが5月8日現在で2回記録されている。

佐々木朗希(ロ)4月17日 ロッテ-日本ハム戦 8回(パーフェクト)
スミス(西)4月19日 西武-ロッテ戦 7回(1与四球)

 なぜ短期間に投手の快記録が次々と達成されたのか。投手の傑出した活躍なのは間違いないが、それだけでは説明できない。

極端な投高打低を象徴する「試合時間」

 実は2022年のプロ野球は、極端な「投高打低」になっている。それを端的に表しているのが試合時間である。NPBでは2002年から両リーグの平均試合時間(9回まで)を発表している。この推移と両リーグの平均打率、平均防御率を見ていこう。

【次ページ】 統一球の仕様、ルール変更などはなさそうだが

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