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データ偏重にレジェンド鳥谷敬が抱く“大きな不安”…「全てが予想できてしまうかもしれない」「選手の成長を妨げている部分も」《新たなDH制も提言》

posted2022/03/30 11:02

 
データ偏重にレジェンド鳥谷敬が抱く“大きな不安”…「全てが予想できてしまうかもしれない」「選手の成長を妨げている部分も」《新たなDH制も提言》<Number Web> photograph by Wataru Sato

虎のレジェンド・鳥谷敬氏に、DH制の是非やデータ偏重への“懸念”を語ってもらった

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佐藤春佳

佐藤春佳Haruka Sato

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Wataru Sato

阪神とロッテで18年間プレーし、昨シーズン限りで現役生活にピリオドを打った鳥谷敬氏。インタビュー後編は、セ・パ両リーグで激動の時代を生き抜いた経験をもとに、リーグ間の違いやDH制の是非、データ偏重への“懸念”を語ってもらった。(全2回の後編/前編へ)

 鳥谷氏は2004年に入団した阪神でスター選手として16年間活躍。19年夏には事実上の引退勧告を受けたが現役続行の道を選んだ。20年の春季キャンプ中は所属がないという苦境を乗り越え、3月にロッテに入団。貴重なベテラン選手として2年間プレーした。

「違う球団でプレーできたというのは、自分にとって本当に良かったと思っています。阪神時代は、ファンやマスコミに常に見られているという環境が当たり前でしたが、ロッテに行ったタイミングでコロナ禍になったこともあり、二軍の施設内はお客さんもマスコミも入れず、誰にも見られていないなかで野球をしていた。そういう経験は皆無だったので、自分が今までいかに見られることでモチベーションを上げていたのか、ということを実感しました」

セ・パは「根本的にドラフトから違います」

 マスコミの影響という点では、関西メディアで一挙手一投足が話題になる阪神は特異な環境といえる。阪神から移籍すると、報道陣との距離感の変化に驚く選手も多い。 

「阪神は何をしても報道されるという点で、逆に球団が制限をかける方なんですが、ロッテはむしろ球団から発信してマスコミにアピールしていく。その違いは驚きました。プロ野球の人気球団と言われるところと、地域に密着してやっていくというところ。それぞれの良さと難しさの両方を知ることができたと思います」

 近年は、セ・パ両リーグの野球の違いに注目が集まる。交流戦では昨年12年ぶりにセ・リーグが勝ち越し、日本シリーズはヤクルトの制覇で9年ぶりにセ・リーグが覇権を奪回したが、個々の実力ではパ・リーグが優位との見方もある。両リーグを経験した鳥谷氏が感じたその差は何だろうか。

【次ページ】 両リーグDH制では「どちらかの魅力しかなくなる」

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