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データ偏重にレジェンド鳥谷敬が抱く“大きな不安”…「全てが予想できてしまうかもしれない」「選手の成長を妨げている部分も」《新たなDH制も提言》
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![佐藤春佳](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/3/-/img_63c0172edf1a3eec5d5017836b5eb9301895.jpg)
佐藤春佳Haruka Sato
photograph byWataru Sato
posted2022/03/30 11:02
![データ偏重にレジェンド鳥谷敬が抱く“大きな不安”…「全てが予想できてしまうかもしれない」「選手の成長を妨げている部分も」《新たなDH制も提言》<Number Web> photograph by Wataru Sato](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/7/700/img_671564f5f9d277d38377d3b79d7b8eb2153668.jpg)
虎のレジェンド・鳥谷敬氏に、DH制の是非やデータ偏重への“懸念”を語ってもらった
「野球の質というか、根本的にドラフトから違いますよね。セ・リーグはDH制がないので、野手はユーティリティじゃないですけど、基本的に打って、守って、走れるという平均値の高い選手が多くないとチームが回っていかない。逆にDH制のあるパ・リーグは、打撃、守備、走塁とそれぞれに特化した選手を獲ることができる。その選手たちが年月を経てそれ以外の部分の力もつけていけば、“平均的な選手”との差は出てきますよね。投手に関しても打順のめぐり合わせで交代することがないので、球数を投げ、経験値を積んでエースになっていく。個々の能力という点ではDH制がある方が当然、高めやすいと思いますね」
両リーグDH制では「どちらかの魅力しかなくなる」
となれば、将来的にセ・リーグもDH制を導入した方がいいのだろうか。
「それは正直、どっちでもいいですね(笑)。野球はいいピッチャーが投げて、いいバッターが打って、点取りゲームだ、ということに醍醐味を感じる見方もあれば、そうではない面白さもある。例えばセ・リーグは、投手の交代や代打のタイミングなど、監督の采配で色々な駆け引きがあります。両リーグともDH制にしてしまったら、どちらかの魅力しかなくなってしまう。
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例えばですが、5年間だけDH制をセ・パ逆にしてみるとか、DH制あり、なしを1年ごとに変えてみるとか。そっちの方が見る側も面白いし、やる側も色々な発見があると思います。ドラフトやトレードの戦略も変わってくる。1年ごとにDH制のあるリーグに呼ばれる選手が出てきたりするかもしれない。どっちかにこだわるのではなく、どっちもやってみたらいいんじゃないかなと思います」
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