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プロ野球PRESSBACK NUMBER
阪神監督待望論も「全くないです。できたらやりたくない」…鳥谷敬が語る、“縁のない”社会人野球コーチを選んだ理由《サンモニ解説も話題に》
posted2022/03/30 11:01
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph by
Wataru Sato
「離れてみて、あらためてプロ野球選手って大変な仕事だったんだな、と感じますよ。開幕に向かっていく気持ちとか、プレッシャー、不安……やっているときはそれが当たり前だったんですけどね。今年はキャンプもないしプレッシャーもないですから」
2004年に阪神に入団してから18年。鳥谷氏にとってこの春は初めて、外から見るプロ野球開幕となった。現役時代、開幕のこの時期はやはり心が浮きたつものがあったのか。
「全然です。どちらかといえば、10月ぐらいの方が、オフに向かってウキウキします。野球選手って、雨が降ったら、中止かな? 休める、と思ったり、季節や天気に対して独特の感覚があるんですよ。暖かくなってくるとああ、始まるな、寒くなってくるともうすぐ終わりだな、とかね。そういう意味では当然、シーズン終わりの方が浮きたちますよね」
「現役の時は、余計なことを言うことがマイナスなので」
スポーツ紙の評論やテレビの解説など、野球を「伝える」側になった。現役時代、自分のプレーについてメディアの解説を参考にすることはあったのか。
「ほぼないですね。振り返って録画で、(自分のプレーを見る)ということもない。余計な情報を入れたくないという感じがありましたから。解説は、しゃべっているその人の評価なので、そこは別に気にしないというか。気になってない。聞きたいとは思わなかったですね」
逆の立場となり、心掛けていることは。
「分かりやすく、ということが一番ですが、1つのプレーに対してなぜこういうことが起きたのか、ということを伝えたい。とはいえ、コメントする場には基本的に他の解説者だったり、アナウンサーの方もいらっしゃるので、その場で触れられていない、それでも自分が面白いと感じる角度から発信できれば、と。
あとは、内野手ならではの視点も交えて話ができたら。ショートは周りを見る、という作業が重要なポジションでしたから、自分がやってきたことに沿って話ができればいいですね」
現役時代はクールなスタイルを貫いた。