酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
広島商vs広陵、プロ入り後の成績ベストナインは? 達川光男や金本知憲、野村祐輔に中村奨成…カープ色強め!? 100年超え宿敵の勝敗がスゴい
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph bySports Graphic Number/Kou Hiroo
posted2022/03/24 11:03
広島商出身の達川光男と広陵出身の野村祐輔。両校OBにはカープに縁ある選手も多い
・控え選手
内/磯田憲一1942(268安2本76点34盗 率.221)
内/宝山省二1944(266安10本96点21盗 率.230)
内/大倉英貴1962(169安14本52点8盗 率.224)
内/谷真一1975(116安5本57点12盗 率.208)
歴史の割には広島商の選手層は厚いとは言えない。磯田憲一は広島草創期に活躍した内野手。宝山省二は近鉄1年目の正三塁手だった。
プロで活躍した投手は少ない中で大成したのは…
・投手陣
先/山本和行1967(116勝106敗130S率3.66)
救/森川卓郎1959(4勝7敗 率.300)
広島商は甲子園で7回も優勝しているが、優勝投手はほとんどプロで活躍していない。1930、31年の夏春連覇のエース、灰山元治は慶應義塾大学に進むも野手に転向した。1973年、江川卓の作新学院に投げ勝った広島商のエース佃正樹は、法政大学で江川とチームメイトになったものの、プロ入りしていない。
プロで活躍したのは、阪神の左腕・山本和行だけ。先発と救援で100勝100セーブを記録し、小気味よい投球で1985年の優勝にも貢献した。
直接対決は広島商16勝、広陵17勝
☆広島商業vs広陵の歴史☆
1世紀以上もの間のライバル関係、その対戦は夏の予選だけでも33試合になる。
・戦前(16~26年は山陽大会での対戦)
1916年 準決勝・広島商○12-0●広陵
1917年 決勝・広島商○5-0●広陵
1922年 決勝・広島商○11-0●広陵
1924年 準決勝・広島商○1-0●広陵
1926年 1回戦・広島商●4-11○広陵
1932年 2回戦・広島商●1-8○広陵(広島予選)
1934年 準決勝・広島商●2-4○広陵(山陽大会)
1935年 準決勝・広島商●2-5○広陵(広島予選)
1939年 準決勝・広島商○18-4●広陵(広島予選)
当初は広島商に歯が立たなかった広陵だが、1926年に初勝利して以降は4連勝。互いに最大の宿敵になった。
・戦後昭和
1957年 決勝・広島商○3-2●広陵(西中国大会)
1958年 準々決・広島商○6-1●広陵
1959年 3回戦・広島商●1-4○広陵
1966年 3回戦・広島商○6-3●広陵
1967年 決勝・広島商●1-3○広陵
1968年 決勝・広島商●2-12○広陵
1969年 2回戦・広島商●3-5○広陵
1970年 決勝・広島商○4-1●広陵
1971年 準決勝・広島商●2-4○広陵
1972年 2回戦・広島商●3-6○広陵
1979年 4回戦・広島商○5-1●広陵
1980年 決勝・広島商●3-5○広陵
1981年 4回戦・広島商○6-5●広陵
1985年 準々決・広島商●5-7○広陵
1986年 1回戦・広島商○5-2●広陵
終戦後、広陵は弱い時期があり広島商と当たる前に敗退していた。1957年に18年ぶりに対戦して以降は再び好敵手となる。
・平成以降
1993年 4回戦・広島商○2-1●広陵
1996年 4回戦・広島商○5-4●広陵
2002年 決勝・広島商●5-9○広陵
2004年 準々決・広島商○7-4●広陵
2008年 準々決・広島商●3-15○広陵
2009年 準決勝・広島商●1-2○広陵
2017年 準決勝・広島商●0-1○広陵
2018年 準決勝・広島商●1-3○広陵
2019年準決勝・広島商○13-5●広陵
広島商は21世紀以降、甲子園には4回しか出場していないが、それでも強豪の一角を占め、2019年には準決勝で広陵を15年ぶりに破って決勝進出。さらに尾道を下して同じく15年ぶりに甲子園に出場した。通算では広島商16勝、広陵17勝。甲子園出場を懸けた決勝戦では8度当たり広島商4勝、広陵4勝。まさに屈指の好敵手だ。