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「8時前には練習場に来い」「このままだと下のカテゴリーに行くぞ」神戸・三浦淳寛監督が若手選手に“厳しい言葉”をかける理由
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![寺野典子](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/3/-/img_63c0172edf1a3eec5d5017836b5eb9301895.jpg)
寺野典子Noriko Terano
photograph byTakashi Shimizu
posted2022/03/05 11:01
![「8時前には練習場に来い」「このままだと下のカテゴリーに行くぞ」神戸・三浦淳寛監督が若手選手に“厳しい言葉”をかける理由<Number Web> photograph by Takashi Shimizu](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/c/700/img_6cf24e194df7bbb489d67453192db3c7359204.jpg)
2006年、キャプテンとしてヴィッセル神戸をJ1昇格に導いた三浦淳宏(現:三浦淳寛監督)。自身の現役時代の経験を踏まえて、若手選手への期待を語った
――若手とそこまで向き合おうとするのは、ご自身に「もっとやっていれば」という後悔があるからですか?
いや、そうじゃないんですよ。僕は現役時代、とにかく「やれることはすべてやろう」というタイプでした。ただチーム練習後に筋トレをやっていると、ほかの選手も僕の姿を見て筋トレを始めるんです。「このままじゃ、周りも同じように伸びるぞ」という危機感が生まれ、自宅に筋トレ器具を用意して、帰宅してからやっていました(笑)。自分だけが伸びたいという気持ちが強かったんですよ。今思うと、チーム全体を見る余裕がなかったんですね。
――いわゆる“コソ練”(隠れて練習すること)ですね(笑)。
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はい(笑)。高校時代から“コソ練”が大好きだったんですよ。
――だからこそ、自分を追い込めない若手がいると「もったいないな」と思ってしまう。
選手がどれくらい化けるのか、大きな可能性を感じるからこそ、「今のままじゃもったいないだろう」と思うのは自然なこと。だから、自分が感じていることをはっきり伝えようと思っています。
「強いチームの雰囲気」になったヴィッセル神戸
――監督になって1年半ですが、監督という仕事の理想と現実にギャップはありますか?
順調だと思います。S級ライセンスを取得するときに思い描いていたのは、選手たちが「早く練習に行きたい」「今日はここを成長させたい」と強く思える環境を作りたいということ。僕自身の現役時代を振り返ってみても、そんなふうに思えるチームは強かった。今はキャンプ中(取材は2月3日に実施)ですが、選手たちは朝早くにグラウンドへ来て、自分の課題と向き合っている。その後にチーム練習に入るんです。そういう意識を若い選手もベテランも全員が持っている。まさに僕がイメージする「強いチームの雰囲気」なんです。
――そんな雰囲気を作るために大切にしていることは?
大事なのは、日々の取り組みや選手との信頼関係だと思います。すごくいい素材であっても、その選手を活かすのは簡単なことじゃない。ピッチ上で特長を発揮させるためのアプローチの仕方は、選手それぞれに異なります。性格も違えば、響く言葉も違う。そういう個々人へのアプローチとは別に、チーム全体に対しては「練習をすごく大事にしている。練習をしっかり見ている」というメッセージを常に送っています。
――ご自身の“監督としての哲学”をひと言で表現するなら。
やっぱり勝つことが一番です。Jリーグはハイレベルで難しいリーグなので、生半可な気持ちじゃ優勝できない。昨シーズン、選手たちがいろんなトライをしてくれて、ようやく3位になれた。そこからさらに上へ行くためには、昨年以上のベースを作らないとやっていけない。プロにもいろんな考え方があると思いますが、僕は勝たないと意味がないと考えているので、結果を出すためにあらゆる面を向上させていきたいですね。<前編から続く>
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