熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
“森保ジャパン批判されがち問題”を三都主が語る「セレソンも無敗でW杯出場なのに…」「要求が大きいのは期待の裏返し」
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph bySports Graphic Number/JMPA
posted2022/02/01 06:01
日本代表時代の三都主アレサンドロ。その重圧を知るからこそ、現代表にエールを送る
「僕たちが先制して、ずっと自分たちのペースで試合を進めていたのに、終盤、彼らのパワーに押されて立て続けに失点してしまった。W杯最初の試合で、勝つと負けるとでは大違い。本当に痛い敗戦だった。当時のオーストラリアは、欧州のクラブで活躍する選手が多く、したたかでもあった」
三都主が「避けることができない」と指摘したこととは
――アジアでは、この2カ国に加えてイラン、韓国などが日本のライバル。それ以外の国に対しては、日本が格上であることが多い。一方、W杯で対戦する相手の多くはアジアの強豪よりはるかに強く、日本が押し込まれる時間帯が長くなる。日本は、アジア予選とW杯とで戦い方を大きく変える必要があります。選手時代、このことをどう感じていましたか?
「当面、これは避けることができない問題だね。たとえば、ブラジルは南米予選とW杯で戦い方を変える必要がほとんどない。それは、南米予選で対戦する相手のレベルがW杯の対戦相手とあまり違わないからだし、すでにブラジル代表としての戦い方が確立されているからでもある。
でも、日本の場合、そうはいかない。ただ、僕が代表でプレーしていた頃はキリンカップ、キリンチャレンジカップなどで欧州を含む世界の強豪と対戦できたし、アジア王者としてコンフェデレーションズカップに出場して強豪国と対戦する機会があった。これらの試合を通じて、W杯仕様のチームを準備することができた」
――しかし、2018年にUEFAネーションズリーグが創設されて以降、欧州の強豪と対戦する機会がほとんどなくなった。コンフェデレーションズカップも、2017年を最後に廃止されました。
「こういった状況の変化は、日本にとって厳しい。でも、欧州以外にも強い国はある。南米、北中米、アフリカの国とできるだけ多く試合を組んで、しっかり強化してもらいたい」
――あなたの現役時代と比べて、欧州クラブでプレーする日本人選手が格段に増えています。