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「中山雄太は先発に値すると思うが…」左SBなど日本代表を三都主アレサンドロが辛口解説〈絶対にあってはならないプレーも指摘〉
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byHiroaki Sawada/JMPA
posted2022/02/01 06:00
長友佑都と中山雄太の左SB起用が議論になっているが、かつてそこを主戦場とした三都主アレサンドロにはどう見えたか
「日本が立ち上がりから積極的に攻め、早い時間帯に少しラッキーな形ではあったがPKを取って先制した。前半は、相手に全くチャンスを作らせなかった。でも、すぐに追加点を取れなかったのは反省点。後半はいい面と悪い面が両方出たと思います」
――ブラジルのテレビの解説者も「日本と中国では、選手の個人能力に大きな差がある。スコア以上に、一方的な内容の試合」と言っていました。
「その通りですね。でも、中国にはガッカリしたね」
――なるほど。現役時代、あなたは中国で開催された2004年アジアカップ決勝で対戦(日本が3-1で勝利して優勝)したのをはじめとして、代表、クラブで何度も中国のチームと対戦しています。あの頃と比べると、期待外れだったと……。
「僕が現役のときの中国は、大柄で身体能力が高い選手が多かった。闘志も旺盛で、いつも苦しめられた。でも、今の中国代表のストロングポイントはどこ? 進歩するどころか、後退している。日本が強くなるためには、アジア全体のレベルアップが必要。その意味で、中国には失望した」
伊東純也は文句なしのMOMだが、右サイド偏重は問題
――日本代表に話を戻します。守備に関してはどう評価しますか。
「全般的には良かった。ボールを奪われても、すぐに連動してプレスをかけて回収していた。吉田(麻也)と冨安(健洋)の代わりに出場した谷口(彰悟)と板倉(滉)は、落ち着いてプレーしていた。両SBも、守備に関してはまずまず。ただ、中国が攻めてこなかったので、ちょっと評価が難しい」
――攻撃は?
「伊東(純也)が素晴らしかった。抜群のスピードでスペースへ走り込んで大きな脅威になっていたし、相手が引いていても味方との連携でチャンスを作っていた。文句なしのマン・オブ・ザ・マッチ。ただ、攻撃が右サイドに偏っていたのが問題。左からもっと攻めるべきで、攻撃のオプションが少なかった。ミドルシュートも、もっと打つべき。相手が強くて、右サイドを抑えられていたら、攻め手がなくなっていたかもしれない」
――左サイドの攻撃が機能しなかったのはなぜだと思いますか?
「南野(拓実)に元気がなかった。ウイングではなく、かといってセカンドストライカーとしても中途半端。調子が落ちているのかな? それに、出来が悪くても監督が先発で使い続けるのが問題。選手が安心してしまう。もっと競争させて刺激を与えないと……」
長友→中山の左SBについてはどう思う?
――かつてあなたがかつてプレーした左SBについては? 長友(佑都)が先発し、後半途中から中山(雄太)が出場して2点目をアシストしました。