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「中山雄太は先発に値すると思うが…」左SBなど日本代表を三都主アレサンドロが辛口解説〈絶対にあってはならないプレーも指摘〉
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byHiroaki Sawada/JMPA
posted2022/02/01 06:00
長友佑都と中山雄太の左SB起用が議論になっているが、かつてそこを主戦場とした三都主アレサンドロにはどう見えたか
「長友は右サイドが攻撃的な分、バランスを取る意識が強かったと思う。それは間違っていないんだけど、もっと積極的に攻撃してほしかった」
――日本国内では、「中山を先発させるべき」という声が高まっています。
「中山は、代表で先発出場するだけの能力はあると思う。ただ、A代表の大事な試合で先発させるべきかどうか、これは別問題。2人の心身のコンディションがよくわかっている監督が、的確な判断を下すべきだと思う」
――中盤の遠藤航、守田英正、田中碧の評価は?
「遠藤と守田は、攻守両面で良くやっていたと思う。田中は、もっとできるはず」
中国のシュート2本が「絶対にあってはならない」ワケ
――センターフォワードの大迫勇也も「力が落ちた」と批判されています。
「彼は、ポストプレーができて、ボールが収まる。こういうタイプのCFは、日本には少ない。決定機を逃したのは残念だったけど、特に出来が悪かったとは思わない」
――中国戦で見えた日本の課題は?
「後半に2点差をつけてから、開き直って攻めてきた中国にチャンスを作られていたのが気になった」
――中国のシュートは後半の2本だけ。どちらも枠外だったが、状況としては危なかった。
「FKの場面では、壁が開いてしまって、シュートを通された。ああいうことは、絶対にあってはならない。そして、左サイドのFKがゴール前へ入り、ヘディングの競り合いで負け、そのこぼれ球をフリーでシュートさせてしまった」
――セカンドボールがどこにこぼれるかを予測するのは難しいのでは?
「中盤ではそうだろうね。でも、ゴール前では絶対にカバーしなければならないスペースがある。あの場面では、田中がゴール正面のペナルティエリアすぐ外側のスペースをケアしていたんだけど、酒井(宏樹)と中国の6番(ティアス・ブラウニング)が競り合うのを見て逆方向へ走り、スペースを空けて15番(ウー・シー)にフリーでシュートを打たせてしまった。それに、他の選手のカバーもなかった。ゴール前の空中戦で負けたこと、ゴール前にスペースを与えてシュートを打たせたこと、どちらもあってはならない」
――数少ないとはいえ重大なピンチがあった、ということですね。
「相手が中国だから、シュートは2本で済んだ。失点にもならかった。でも、もっと強い相手だったらもっとシュートを打たれていて、失点していたかもしれない。反省すべきだね」
口調は至って穏やかながら、日本代表を愛するがゆえか、三都主のコメントは少々手厳しかった。
後編では、彼の現役時代のアジアの強豪との対戦の記憶、今後の日本代表への期待などについて聞いた。<後編に続く>
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