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電車内でのマナー「飲酒やおしゃべりに気を付けましょう」スキー列車に若者殺到のブームも…日本人はいつからスキーに行かなくなった?
text by
鼠入昌史Masashi Soiri
photograph byMasashi Soiri
posted2022/02/02 17:01
上越国際スキー場前駅、1997年にスキーシーズンのみ営業する臨時駅として開業した
そんなガーラ湯沢駅にやってきたのは、実は2度目である。前に来たのはコロナ前の2019年。そのときもスキーではなく駅を見に来るのが目的だった。冬場、スキー客が殺到する時期しか駅も営業していないので、居心地の悪い思いをしながら訪れるしかしようがない。
今回もずいぶん人がたくさんいるなと思ったが、思い返してみると2019年に来たときにははるかにたくさんの人が駅舎の中(というかスキーセンターの中)にいた。日本人の若人たちも多かったが、何より外国人観光客の姿が目立っていたことを覚えている。インバウンド絶頂の2019年の冬。ああ、あの頃が懐かしい……。あの頃と比べるとずいぶんお客が少なくなってしまったのだろう。
せっかくなのでガーラ湯沢駅の外にも少し出てみたが、もうそこはスキー場(と駐車場)。スキー場にはゴンドラに乗って向かうしつらえで、駅舎まではスキーかスノボで直接やってこられる構造になっている。おかげで、カメラを構えている筆者はあきらかに異質。スキーをするつもりも、その技術もないのでそそくさとガーラ湯沢駅を後にすることにした。
「上越国際スキー場前駅」には何がある?
これで東京に戻るばかりではおもしろくない。なにより、このあたりにはガーラ湯沢に限らずたくさんのスキー場があるのだ。越後湯沢駅はもちろんのこと、近隣のどの駅の近くにもスキー場がある。中には、「岩原スキー場前」「上越国際スキー場前」というスキー場の名をそのままいただいた駅まであるほどだ。せっかくなので、そのひとつである上越国際スキー場前駅にも足を運ぶ。
上越国際スキー場前駅は、新幹線ではなく在来線、上越線の駅だ。なので、新幹線でガーラ湯沢駅から越後湯沢駅に戻り、そこで在来線に乗り換える。新幹線はずいぶん混んでいたから、在来線もそれこそ上越国際スキー場などに向かうお客で賑わっているのではなかろうか。
そう思って在来線のホームに向かったが、なんだか閑散としている。電車の中にはスキー客とおぼしきお客もいるが、数組程度で賑わっているとはおよそ言いがたい。どこにでもあるようなローカル線であった。