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電車内でのマナー「飲酒やおしゃべりに気を付けましょう」スキー列車に若者殺到のブームも…日本人はいつからスキーに行かなくなった?
posted2022/02/02 17:01
text by
鼠入昌史Masashi Soiri
photograph by
Masashi Soiri
冬真っ盛り。冬のスポーツといえばスキーだろう。もちろんスノボでもいいのだが、冬になるとスキー場に行く人が多くなる。まもなくはじまる北京冬季オリンピックの話をするまでもなく、冬はスキーの季節である。さあ、スキーに行こう……。
と、ここで問題になるのはどうやってスキー場まで行くか、である。ホンモノの雪山にこだわらないならば船橋のザウス……はもうとっくになくなっていますが、西武ドームの脇にある狭山スキー場(屋内人工スキー場)でもことは足りる。が、雪が降り積もった山のゲレンデこそ、冬に行く醍醐味がある。
そんなわけで、鉄道に乗ってスキー場に向かってみることにした。乗った列車は上越新幹線。冬の間だけ営業するスキー場直結のガーラ湯沢駅に向かう列車だ。
大宮駅から新幹線に乗る。さすがに満席とまではいかないようだが、大部分の座席が埋まっていた。若い人たちのグループで溢れていて、このご時世では遠慮してねと車内アナウンスもされているはずの座席の回転をして、おしゃべりに興じているグループもあった。
乗っているのは主に若い人たちで、みんなスキーかスノボに行くのであろうことはすぐにわかる。誰も彼も、ドデカいスキーかスノボの板を抱えているのだ。荷棚には限りがあるから、抱えながら座席に座っている人もいる。そのせいで、座席のリクライニングがあまり使えないまま、なんとなく窮屈な気持ちで大宮駅から約70分。ガーラ湯沢駅にたどり着いた。
3年前、ガーラ湯沢駅はもっとたくさん人がいた
ガーラ湯沢駅は、上越国境を跨いですぐの越後湯沢駅の近く。もともとは車両基地があったのだが、ここをスキーリゾートにして駅直結にすればいいじゃないかと思いついた人がいて、分割民営化間もない1990年に駅とガーラ湯沢スキー場がまとめて開業した次第である。
実際、駅の改札口を抜けると、そこはもうスキー場の玄関口。チケット売り場から用具のレンタルスペース、ゴンドラの乗り場、さらには温泉施設までが入っている。エキナカスキー場というか、駅そのものがもはやスキー場というか、いますぐスキーかスノボができそうな格好をしている人たちが闊歩しているあたり、この駅にやってくる人は9割9分がスキーヤーのようにみえる。