Sports Graphic Number SpecialBACK NUMBER

[スノーボード 最強の3人娘に聞く]鬼塚雅「あの技を打つこと自体が私にとっては挑戦なんです」

posted2022/02/04 07:02

 
[スノーボード 最強の3人娘に聞く]鬼塚雅「あの技を打つこと自体が私にとっては挑戦なんです」<Number Web> photograph by Lee Ponzio

鬼塚雅(Miyabi Onitsuka)1998年10月12日、熊本県生まれ。5歳からスノーボードを始め、'15年世界選手権スロープスタイルを史上最年少で制す。'20年Xゲームビッグエアで初優勝。'21年世界選手権ビッグエア3位。158cm

text by

雨宮圭吾

雨宮圭吾Keigo Amemiya

PROFILE

photograph by

Lee Ponzio

ビッグエアとスロープスタイルの両種目でメダル獲得が期待される3人。大舞台へ向け、三者三様の思いを語った。

 どんな滑りをしたのか、どんなコースだったのか。鬼塚雅には前回の五輪の記憶がほとんどない。

「もう自分が何もできなかった。できなさ過ぎたんです」

 スロープスタイルでは想像以上の強風に阻まれて19位。ビッグエアは大技の完成が間に合わず8位。不本意な結果に終わった悔しさが記憶の蓋を閉じさせたのか。

「いえ、悔しい大会ならもっと他にあります。でも、五輪は何もできなさ過ぎて、悔しさもMAXにならなかったんです。だから記憶に残らない。確かに競技以外では色々な経験をさせてもらいました。でも何かを得たかと言われたら何もないんです」

 それでも苦い経験は契機にはなった。冷静に自分を見つめ直せば、何が必要だったかは理解できた。

「ビッグエアに関しては新しい技に挑戦するのが遅かった。スロープスタイルは風のある状況なんかは考えていなかった。準備不足でした」

 そこからは思い切って板を切り替え、安定感よりも空中での操作性の良さを追求することにした。結果、板の幅は1cmほど細くなった。足のサイズが22.5cmと小さい鬼塚にとって、それだけでも取り回しがしやすくなる。

「実際には7mmぐらいかな。でも靴だったら1cmって結構変わりません? そんな感覚です」

 どうして高い操作性が必要だったかの答えが、いま鬼塚が見せている、女子では鬼塚しか実戦で成功させていない大技『キャブダブルコーク1260(トゥエルブ)』にある。

こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
Numberプレミアムクラブ会員になると続きをお読みいただけます。

残り: 765文字

Numberプレミアムクラブ会員(月額330円[税込])は、この記事だけでなく
NumberWeb内のすべての有料記事をお読みいただけます。

関連記事

鬼塚雅
北京冬季五輪
オリンピック・パラリンピック

冬季スポーツの前後の記事

ページトップ