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「これがあと3週間続くのか」報道関係者から嘆きも…北京五輪の“対コロナ厳戒態勢”は東京五輪と何が違う?【現地レポート】
posted2022/02/02 11:02
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Takaomi Matsubara
1月31日、新聞、雑誌メディアの記者、フォトグラファーら関係者らの搭乗便の1人として北京入りした。
テレビも含め、すでに少なくない取材陣が当地で活動し、日本代表選手らも1月下旬から順次、到着している。伝えられていたのは、新型コロナウイルス感染への徹底した対策だった。1月27日に到着したアイスホッケー女子日本代表主将の大澤ちほも、以下のようにコメントしている。
「入国時のコロナ対策は厳重だなという印象です」
いわゆる「バブル形式」を採っているが、実際の北京の印象はバブル=泡というイメージよりも厳格さを帯びていた。
空港のスタッフも防護服を着用
そもそも出発するまでの段取りが、東京五輪以上だった。ワクチンを2度接種しているのは大前提の上で、出発前の96時間以内に中国五輪組織委員会が指定した病院で2度のPCR検査を実施。ここで陰性証明を得なければならない。また、国内外の大会でも行なわれているように、出発前の14日間の健康状態を毎日、報告する必要があった。陰性であることを含め健康状態について複数の認証を受けることが義務とされていた。加えて滞在中は、N95、KN95ないしはそれに相当する医療用マスクの着用も義務付けられている。
北京首都国際空港を降り立つと、まず目につくのは、完全な防護服姿だった。航空機の到着時の地上作業員、空港内のスタッフなど全員が白の防護服に身を包んでいる。
案内に従い進んでいくと、個別のブースになったPCR検査場があり、鼻とのどの両方から検体を採取する検査を受ける必要がある。個人差かあるいは医療者の技量か、「楽だった」「かなりきつかったです」と感想は分かれる。到着時に限らず、PCR検査は毎日行なうことが義務付けられている。