藤田俊哉の日欧蹴球比較論BACK NUMBER
香川真司マンU移籍から10年、セルティックに前田大然・旗手怜央・井手口陽介が… 藤田俊哉が見る海外移籍の変化と”次なる成長案”とは
text by
藤田俊哉Toshiya Fujita
photograph byIan MacNicol/Getty Images
posted2022/01/26 11:01
前田大然を労い、井手口陽介を送り出すポステコグルー監督。セルティックの「日本人ブーム」は海外移籍の新たな潮流となるか
私が生活の拠点をオランダに移した2014年以来、彼らのリストにある選手は年々増えている。それもかなり若い選手の名前まで記されている。恥ずかしい話ではあるが、彼らに尋ねられた時にすぐにイメージできない選手がいたこともあった。
フットボールを取り巻くスピード感を肌で感じるオランダでの日々。その生活環境は厳しい反面、大きな可能性を秘めている魅力がある。それだけに追い続けるだけの価値がある世界である。
選手に限らず海外経験の場を創出する必要がある
日本には達成させなければならない、JFAが掲げる大きな目標(2030年までにサッカーファミリー800万人とW杯ベスト4、2050年までにサッカーファミリー1000万人、日本開催のW杯で優勝)がある。
その魅力的なビジョンに向かい、これまで以上にスピード感をもって進み、全てにおいてさらなるレベルアップを図りたい。そのためにも実力のあるサッカー人の、海外における経験の場を数多く作り出すことも必要だと考える。もの凄いスピードで成長を続ける日本人選手たちに遅れを取らないように、私たちサッカー関係者は、これまで以上の行動力とアイディアをもって進みたい。
機会があるたびに何度も話しているが、日本人指導者のポテンシャルは高い。だからこそ、私の経験から言うが――もっと自信を持って世界で挑戦して欲しい。なかなか行動を起こせない状況が続いていることへの解決策はある。
新たなプロジェクトを立ち上げ、その導入段階ではサポートを充分に駆使してでも、野心のある指導者を欧州で戦っている選手たちと同様の舞台に連れて行くことも必要だと私は考える。
それらは選手たちの大きな刺激にもなり、相乗効果を生むはずであるから。
次回はその辺りを中心に話したい。