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「ハタテが140万ポンドって冗談だろ?」前田大然ゴールに旗手怜央MOM、井手口陽介も… “セルティック5億3000万円トリオ”の勝算
posted2022/01/20 11:02
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph by
Ross MacDonald/Getty Images
華々しいデビュー、その一言に尽きる。
スコティッシュ・プレミアシップ第21節のハイバーニアン戦で、今冬セルティックに加入した前田大然、旗手怜央、井手口陽介の3選手がデビューした。
見せ場は突然訪れた。前半5分、トム・ロギッチからのパスを受けた前田が落ち着いてゴール右隅に流し込み、あいさつ代わりの移籍後初ゴール。セルティック・パークを沸かせる。
インサイドハーフで先発出場した旗手はシュートやラストパスなどフィニッシュに直結する動きだけでなく、中盤の幅広いエリアをカバーするエネルギッシュなプレーを披露。75分にベンチに下がった後、パークヘッドで彼のマン・オブ・ザ・マッチがアナウンスされた。
ベンチでジェームズ・フォレストにそのことを伝えられた旗手は驚いた様子で「俺?」と何度もチームメイトに確認していたが、MOMも納得の動きだった。
その旗手と入れ替わる形で出場した井手口は見せ場こそ少なかったものの、残り15分で堅実なプレーを見せ、ゲームを締める役割を果たしたといえるだろう。
アンジェが就任した時期、セルティックは危機だった?
試合後アンジェ・ポステコグルー監督は「3人ともよくやったと思う」とそれぞれのデビュー戦を称賛した。
そもそもこのオーストラリア人指揮官がセルティックに渡った夏、チームはかなりまずい状態にあった。
昨季リーグ得点王のオドゥソンヌ・エドゥアール、MFライアン・クリスティー、DFクリストファー・アイェルらチームの要となる選手の退団が決定的(その後いずれも退団)。ポステコグルーは「補強が必要」と補強費の捻出に二の足を踏むクラブに頭を悩ませていた。
夏に数人の選手を獲得したが、それでも満足の陣容とは言えず。リーグ開幕後、古橋亨梧が獅子奮迅の活躍を見せたこともあってリーグ戦で2位につけるが、人手不足は明らかだった。
人が足りないゆえ、完治していなくても出ざるを得ない状況になる。そうして無理を押して出場した年末のセント・ジョンストン戦で、古橋はハムストリングの怪我を再発させた。これで今季古橋が負傷離脱するのは3回目である。
このようなチーム事情だからこそ、更なる補強、そして新戦力への期待値は自然と大きくなっていったのだ。