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巨人の後半戦急失速、阪神「ほぼ優勝」レベルの躍進、ヤクルト日本一の決定的要因とは《成績で見る勝因敗因/セAクラス》 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2021/12/30 11:10

巨人の後半戦急失速、阪神「ほぼ優勝」レベルの躍進、ヤクルト日本一の決定的要因とは《成績で見る勝因敗因/セAクラス》<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

巨人の原監督、ヤクルト高津監督、阪神の矢野監督。セAクラスに導いた3球団の来季はどうなるか

3~4月 30試合14勝9敗180.1回 率3.14
5月 22試合7勝7敗114.4回 率3.82
6月 22試合10勝7敗116.5回 率3.59
7月 12試合4勝4敗48.2回 率2.77
8月 15試合3勝4敗71.7回 率4.42
9月 25試合5勝12敗138.2回 率3.83
10月 18試合1勝8敗81.2回 率5.40

 7月までは35勝27敗、8月以降は9勝24敗。先発陣の崩壊によって優勝争いから脱落した。原巨人は8月以降、先発の登板間隔を中6日から中4、5日に変更したが、多くの識者が指摘するように、これが先発陣のコンディションを悪化させた。

 NPBからMLBに移籍した先発投手は、中4~5日のローテーションに適応している。これから見ても登板間隔の変更は不可能ではないだろうが、シーズン中の変更は強引すぎたのではないか。

 さらに救援投手の起用にも疑問があった。

 高梨雄平、大江竜聖などの左腕は1イニングを任せられる力があると思うが、ワンポイントでの起用が目立った。その挙句に投手が足りなくなり、左打者に右投手を当てることもあった。

 7回は誰、8回は誰、そして9回はクローザーという形で救援投手の持ち場を決めることをせず、場当たり的な起用だった印象だ。

梶谷はケガ続き、中田翔もほぼ結果を残せず

 打者でいえば今季もポジションかぶりを厭わずFAで梶谷隆幸、新外国人で大物のスモーク、テームズを獲得。しかしながら梶谷は故障で離脱、テームズはデビュー戦で負傷して帰国、スモークもホームシックで帰国。結局、昨シーズン途中に移籍してきたウィーラーと、育成上がりで這い上がった松原聖弥の活躍で穴埋めができた形だ。

 シーズン中には日本ハムから中田翔も移籍したが、ほとんど働かなかった。

 毎年のように思うが「野球は何人でやるスポーツなのか」を今一度考えるべきだろう。どんな大物選手でも、フルで使わなければ実力を発揮するのは難しい。「戦力の逐次投入」が悪手なのは兵法では常識のはずだ。

 巨人は依然として戦力ではトップクラスだが、それをどう活かしていくのか。采配に課題がある状況が続く。

阪神:引き分け少なく2位も優勝同然の成績

<2位 阪神タイガース>
77勝56敗10分 勝率.579 首位とゲーム差なし
チーム打率.247(4位)チーム防御率3.30(2位)

・打線
1(中)近本光司 178安10本50点24盗 率.313 RC90.29
2(遊)中野拓夢 127安1本36点30盗 率.273 RC56.17
3(一)マルテ 115安22本71点0盗 率.258 RC73.35
4(三)大山悠輔 121安21本71点2盗 率.260 RC63.37
5(左)サンズ 101安20本65点1盗 率.248 RC59.23
6(右)佐藤輝明 101安24本64点6盗 率.238 RC57.09
7(二)糸原健斗 126安2本30点6盗 率.286 RC54.29
8(捕)梅野隆太郎 91安3本33点8盗 率.225 RC34.98

・先発投手
青柳晃洋 25試13勝6敗156.1回 率2.48 PR23.45
西勇輝 24試6勝9敗143.2回 率3.76 PR1.12
秋山拓巳 24試10勝7敗132.2回 率2.71 PR16.51
伊藤将司 23試10勝7敗140.1回 率2.44 PR21.67
ガンケル 20試9勝3敗113回 率2.95 PR11.05
アルカンタラ 24試3勝3敗59.1回 率3.49 PR2.24
高橋遥人 7試4勝2敗49回 率1.65 PR11.87

・救援投手
岩崎優 62試3勝4敗1S41H57.2回 率2.65 PR7.56
スアレス 62試1勝1敗42S0H62.1回 率1.16 PR18.49
岩貞祐太 46試4勝0敗0S12H38.2回 率4.66 PR-3.57
馬場皐輔 44試3勝0敗0S10H47.1回 率3.80 PR0.16
及川雅貴 39試2勝3敗0S10H39回 率3.69 PR0.61
小林慶祐 22試0勝1敗0S4H20回 率2.25 PR3.51

 77勝は12球団最多。勝率も高く、ヤクルトとのゲーム差はゼロ。今季の阪神は“優勝同然”の成績を残した。コロナ禍によって9回引き分け、延長なしの特殊なルールになる中、引き分け数が10と12球団で最少で、その結果として1勝当たりの価値が下がって、勝越し数はヤクルトと同数ながら、惜敗した。

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