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若手台頭も最下位DeNA、貧打の中日、鈴木誠也が抜けるカープ…打開策はどこに?《成績で振り返る勝因敗因/セBクラス》

posted2021/12/30 11:09

 
若手台頭も最下位DeNA、貧打の中日、鈴木誠也が抜けるカープ…打開策はどこに?《成績で振り返る勝因敗因/セBクラス》<Number Web> photograph by Sports Graphic Number/Kyodo News

(左から)DeNA三浦監督、中日の立浪新監督、広島の佐々岡監督は懸念を振り払えるか

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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ヤクルトの日本一で幕を閉じた2021年のプロ野球。記録という観点から各球団の勝因と敗因、そして来季展望を占った(全4回)

 セ・リーグも連覇中の巨人が後半戦で落ち込み、前年最下位のヤクルトが優勝した。まずはセ・リーグのBクラスに終わった3球団の今季を、主力選手の成績などとともに回顧していく。

 なお打者のRCは打撃の総合指標、90を超えれば強打者、100を超えればMVP級とされる。また投手のPRはリーグ平均防御率に基づく指標。今季セ・リーグの平均防御率3.83を上回る防御率だとプラスになり、イニング数が多くなれば数値が高くなる。

DeNA:打線は若手が台頭したが、勝ちに結び付かず

<6位 横浜DeNAベイスターズ>
 54勝73敗16分 勝率.425 首位と20.0差
 チーム打率.258(2位)チーム防御率4.15(6位)

・打線 
 1(中)桑原将志 161安14本43点12盗 率.310 RC87.01
 2(二)牧秀悟 153安22本71点2盗 率.314 RC85.39
 3(左)佐野恵太 165安17本72点0盗 率.303 RC93.37
 4(右)オースティン 113安28本74点1盗 率.303 RC86.31
 5(三)宮崎敏郎 156安16本73点0盗 率.301 RC80.47
 6(一)N.ソト 96安21本62点0盗 率.234 RC51.27
 7(遊)柴田竜拓 52安2本15点1盗 率.234 RC25.51
 8(捕)伊藤光 34安2本13点1盗 率.213 RC14.00

・先発投手 
 大貫晋一 22試6勝7敗112回 率4.34 PR-6.35
 今永昇太 19試5勝5敗120回 率3.08 PR10.00
 濱口遥大 17試5勝7敗91.1回 率3.94 PR-1.10
 坂本裕哉 16試4勝6敗70.1回 率5.25 PR-11.10
 京山将弥 16試2勝7敗76回 率4.97 PR-9.63
 ロメロ 14試5勝3敗80.2回 率3.01 PR7.35

・救援投手
 エスコバー 61試4勝4敗1S32H58.2回 率3.38 PR2.93
 山崎康晃 60試3勝2敗1S27H55回 率3.27 PR3.42
 三嶋一輝 59試3勝5敗23S1H57.1回 率4.08 PR-1.59
 砂田毅樹 58試2勝2敗0S18H41.2回 率3.24 PR2.73
 三上朋也 40試2勝1敗0S3H35回 率3.86 PR-0.12
 伊勢大夢 39試0勝1敗0S6H35.1回 率2.80 PR4.04

 2020年までチームを率いたアレックス・ラミレス監督は「やりくり上手」な指揮官だった。得失点差は5年間で4回マイナスになったが、それでもポストシーズンに3回進出。大差がついた試合はさっさと見切って、接戦をものにする手法が見事だった。

 三浦大輔新監督は、前任監督に比べれば正直な采配で、それだけに実力がそのまま数字に表れた感がある。開幕から躓き、4月末時点で6勝21敗4分。早々に優勝戦線から離脱した。しかし5月以降は48勝52敗12分で、リーグ中位の力はあったのだ。

後半戦まで先発陣が振るわず、救援陣と打線が奮闘

 4月末までの大負けは先発投手陣の不振によるものだった。8人の先発で4勝16敗、これでは救援投手が力を発揮できるはずもなかった。

 対照的に打者は、新人の牧秀悟が4月末時点で6本塁打22打点と大活躍するなど順調なスタートを切った。最終的には規定打席に到達した3割打者が4人、わずかに届かなかったオースティンも含めて1番から5番までが3割をマーク。打線だけならトップクラスだった。

【次ページ】 中日:貧打線は2021年もついに浮上せず

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